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的川博士の銀河教室

438 地球外生命を探して/2

ながあいだ大論争だいろんそう

 わたしたちの太陽系たいようけいの、地球以外ちきゅういがい惑星わくせい生命せいめいがいるのではないかという「ゆめ」は、ふるくからありました。日本にっぽんはじめてそんなことについて議論ぎろんしたのは、江戸時代えどじだい山片蟠桃やまがたばんとうというひとだとおもわれます。かれは、「ゆめだい」という著書ちょしょなかで、「地球ちきゅうだけでなく、火星かせいにも金星きんせいにも木星もくせいにも生命せいめい存在そんざいしており、それどころか太陽たいようにだっている」とっています。まあこれはほしについての知識ちしき幼稚ようちだった時代じだいの「想像そうぞう」ですが、大胆だいたんなことをったものですね。

    ひろまったうわさ 現実げんじつには……

     アメリカやヨーロッパの人々ひとびとも、この問題もんだいにはむかしから関心かんしんせていました。科学的かがくてき議論ぎろんはじまった17世紀せいきのガリレオ・ガリレイ以降いこうでは、19世紀せいきにスキャパレリの作製さくせいした火星地図以来かせいちずいらいながあいだ大論争だいろんそうのテーマになりました。かれ実際じっさい望遠鏡ぼうえんきょう観測かんそくした火星表面かせいひょうめんのスケッチに、運河うんがのようなものがえがかれていたからです。これを同時代どうじだいのパーシバル・ローウェルという著名ちょめい科学者かがくしゃ熱心ねっしん支持しじし、ますますうわさがひろまりました。(1)

     「運河うんがというのは、水路すいろとおすためにだれかがつくったものだから、確実かくじつ知的ちてき生物せいぶつ火星かせいにいる」と主張しゅちょうされたのです。現実げんじつには、これは望遠鏡ぼうえんきょう分解能ぶんかいのう中途半端ちゅうとはんぱだったためにきた「見間違みまちがい」だったのですが、19世紀末せいきまつあらわされたH・G・ウェルズの『宇宙戦争うちゅうせんそう』では、てた火星かせいむタコのような火星人かせいじん2)が地球ちきゅうおそ事件じけん活写かっしゃされ、ベストセラーになったこともあります。

     でも結局けっきょくは、1960年代以後ねんだいいご次々つぎつぎ派遣はけんされたアメリカの火星探査機かせいたんさきや、性能せいのうをどんどんたかめた地上ちじょう望遠鏡ぼうえんきょう長足ちょうそく進歩しんぽげた天文学てんもんがくちからで、火星かせいはもちろんのこと、つき金星きんせいふくめ、わたしたちの太陽系たいようけいには、文明ぶんめい知的生命ちてきせいめいはいないことが(残念ざんねんながら)完璧かんぺき証明しょうめいされています。

     ただしこうなってみると、つぎ人々ひとびといだいたのは、「この太陽系たいようけい地球以外ちきゅういがい天体てんたいに、文明ぶんめいつほど知的ちてきではなくても、せめて幼稚ようちな、あるは原始的げんしてきものくらいはいてほしい」という希望きぼうでした。じついまいたっても、このひろ宇宙うちゅうには、地球以外ちきゅういがい生命せいめいつかっていないのです。そしてさきにそのさが候補地こうほちとなったのは、やはり火星かせいでした。(つづく)


     ★的川泰宣まとがわやすのりさん

     ながらく日本にっぽん宇宙開発うちゅうかいはつ最前線さいぜんせん活躍かつやくしてきた“宇宙博士うちゅうはかせ”。現在げんざい宇宙航空研究開発機構うちゅうこうくうけんきゅうかいはつきこうJAXAジャクサ)の名誉教授めいよきょうじゅYACヤック顧問こもん、「KU-MAクーマ名誉会長めいよかいちょう、「はまぎんこども宇宙科学館うちゅうかがくかん館長かんちょうつとめる。


    日本宇宙少年団にほんうちゅうしょうねんだん(YOUNG ASTRONAUTS CLUB-JAPAN)

     宇宙好うちゅうずあつまれ!! http://www.yac-j.or.jp

    NPO法人ほうじん ども・宇宙うちゅう未来みらいかい(KU-MAクーマ

     宇宙教育うちゅうきょういくサポーターあつまれ!! http://www.ku-ma.or.jp

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