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社説

皇室と国会 安定継承の議論確約を

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 天皇陛下の退位に関し、衆参両院の正副議長が主催する与野党の全体会議が開かれた。正副議長は3回にわたった会議の議論を踏まえ、改めて各党派から個別に意見を聞いたうえで今月中に見解を示す考えだ。

 退位の問題は、天皇の地位をどう安定的に継承するかの問題と切り離すことはできない。与野党は皇位の安定継承についての議論を次の課題とすると確約すべきだ。

 皇位継承の安定を巡っては、与野党に温度差がある。

 全体会議で民進党の野田佳彦幹事長は、皇族減少対策につながる女性宮家創設に触れ「可及的速やかに検討し、結論を得るべきだ」と述べ、期限を定めて国会の場で議論するよう求めた。

 これに対し自民党の茂木敏充政調会長は「女性皇族の年齢からしても女性宮家の問題は先延ばしできない」としつつ「検討の在り方、検討の場は慎重な対応が必要」と語った。

 自民党が議論の必要性を認める一方、議論の時期や協議機関の設置などを明言しないのは、女性宮家創設に対する党内の反対論に配慮したためだろう。

 女性宮家創設は旧民主党政権の2012年に野田内閣が検討した。直ちに皇位継承の安定につながるわけではないが、将来の女性・女系天皇の布石になるとみられている。

 天皇と皇族は計19人いる。天皇家は10人で、ほかの9人のうち8人は女性皇族だ。未婚の女性皇族は7人いるが、結婚した場合は皇室典範の規定により皇籍を離脱する。

 対策を講じなければ、将来的には天皇家を除いて宮家が途絶え、皇室制度が立ち行かなくなるおそれもある。女性宮家はこうした事態を回避する目的がある。

 皇位はかつて女性天皇、側室の子や養子によって継承された時代があった。しかし、現在は皇統の重視や人権の尊重からなくなり、皇位継承資格者の対象は狭まっている。

 小泉内閣は05年、今の陛下の孫の代に男系男子がいなかった状況を踏まえて女性・女系天皇容認に動いたが、悠仁さまの誕生で立ち消えた。

 野田内閣時の女性宮家創設も、直後の自民党への政権交代で棚上げになった。結論を先送りしてきたのは政治の不作為だ。とくにこの問題を避けてきた自民党は反省すべきだ。

 天皇退位を実現する法整備を巡っては、特例法か皇室典範改正かで与野党の溝がなおある。皇位の安定継承の議論に確実につなげるという認識を与野党が明確にすれば、歩み寄りを後押しすることにもなろう。

 天皇退位の円満決着を優先する与党が野党の譲歩を促すための「口約束」で終わってはならない。

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