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大竹文雄・評 『貧困と闘う知-教育、医療、金融、ガバナンス』=エステル・デュフロ著

 (みすず書房・2916円)

 教育の充実と健康の増進が貧困問題の解決に有効だというのは、誰もが認めることだろう。同様に、金融システムや社会の統治機構が安定していて、腐敗がないことも重要だ。これらのことは、日本のような先進国でも当てはまるが、途上国ではもっと深刻な問題となっている。

 貧困問題の解決や経済成長には、教育や医療をよりよいものにしなければならないという点については、多くの人の意見は一致する。しかし、どうすればよいのか、ということについては、意見の一致が見られない。むしろ、何が有効なのかが、よく分かっていないというのが実態だ。日本でも貧困対策に多額のお金をかけているが、それがどの程度効果があるのか、なかなかわからない。現実の政策の評価をすることは難しい。ある政策を行って、その結果貧困率が下がったとしても、その政策が有効だったとは即座には判断できないからだ。

 政策効果を測るには、仮にその政策を行わなかったとしたら貧困率がどうなっていたのかという「反事実」と実際の貧困率という「事実」とを比較する必要がある。当然のことながら、私たちは「反事実」を観測することができない。新薬の有効性を検証する場合、新薬を投与したグループと偽薬を投与したグループでの違いを統計的に検定するなどのランダム化比較実験(RCT)という臨床試験が行われているが、社会科学では一般的では…

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