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号外白鵬が秋場所V 幕内通算1000勝
はんこ

福岡に品ぞろえ「日本一」の店 名字99%網羅

父親の代から続く店で、10万種の異なる名字の印鑑をそろえる秀島徹さん=2017年3月3日午後3時42分、青木絵美撮影

在庫問い合わせ全国から 「さいとう」姓で50種超

「さいとう」の姓は、「斎藤」「斉藤」「西東」など漢字の違いだけで種類が50本を超える=福岡市東区で2017年3月3日午後3時36分、青木絵美撮影

 筥崎宮にほど近い福岡市東区箱崎1に、約10万本の認め印を取りそろえたはんこ専門店「はんのひでしま」がある。「日本一の品ぞろえ」というだけあって、北海道や沖縄からも在庫の問い合わせが来るほどだ。【青木絵美】

「残り1%」探求心尽きず

 創業85年。店の近くには福岡市への編入以前、旧箱崎町の役場があった。その来庁者向けに「公的手続き時に便利なはず」と現店主の秀島徹さん(69)の父が興したのがはじまりだ。

 秀島さんが継いだのは高度成長期を迎えた1970年代。「契約や手続きの書類に印がないことに気づいた保険屋や自動車屋が『この名字の印鑑ありますか』ってよく店に飛び込んできたんだよね」。困っているお客さんにどんな名字でも「あるよ」と応えたいとの思いが、品ぞろえの充実につながっていく。

 文具店などで見かける一般的な4面の回転式の台には5000本が収まり、日本の名字の約8割を網羅できるという。一方、8坪の同店では壁面に高さ約1.5メートルの陳列棚があり、機械で彫られた1本540円の認め印をあいうえお順に約10万本収容。「これで99%はカバーできる」と胸を張る。

 規格外の陳列棚は、エレベーターの天井に取り付けられていた蛍光灯をカバーする格子状の器具で、外出先で見かけた秀島さんが印鑑代わりに指を突っ込んで「これならきれいにディスプレーできる」と取り寄せた。

 全国から在庫を聞かれると、ペンライト片手に棚を確認する。例えば「さいとう」姓は「斉藤」「西東」など50種を超える。祭壇を意味する象形文字からできた「齋(さい)」には、その祭壇に供えた「肉」「魚」「皿」などを含んだ異体字もあるという。

 字画数が日本一多い名字は54画の「躑躅森(つつじもり)」。一方、「一」という名字には「いち」「はじめ」「ひともんじ」「でかた」「かず」--など7種の読み方があるというから驚く。店は、さながら名字の博物館だが、秀島さんは「取り扱いのない残り1%でもまだ約7万種類はある」と探求心が尽きない。傍らには常にペンと紙。テレビ番組で登場人物の名字をチェックしている。

 入学・就職の春を迎え、孫に印鑑を贈ろうというお年寄りや、銀行口座開設用に印鑑を注文に来る若者がよく訪れる。字画数の縁起の善しあしを気にする人もいるが、「生き様は、その人その人の責任だよ」と秀島さんは話す。

 多様な名字を目の当たりにして「それぞれ精いっぱい生きているんだろうな」と、そんな想像をすると不思議と元気が湧いた。

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