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社説

GPS捜査違法 令状主義軽視への警鐘

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 警察の捜査手法に対する最高裁からの警鐘と受け止めるべきだ。

     警察が裁判所の令状なしで捜査対象者の車などに全地球測位システム(GPS)端末を付ける捜査について、最高裁大法廷は刑事訴訟法に違反するとの初判断を示した。

     最高裁はGPS捜査について、端末をひそかに個人の所有物に装着させる点で公権力による私的領域への侵入を伴っており強制捜査に当たると認定した。

     憲法は、刑事手続き上の強制処分には、裁判官の令状が必要だとうたう。判決は令状主義の原則に沿ったもので、納得できる司法判断だ。

     審理されたのは、事務所荒らしを繰り返したとして窃盗罪に問われた大阪府の男(45)の事件だ。大阪府警は2013年、男と共犯者の車やバイクにひそかにGPS端末を付けて追尾捜査した。

     警察はこれまでGPS捜査について、尾行や張り込みに比べてプライバシー侵害の度合いが大きいとはいえないとして、令状の要らない任意捜査と位置づけてきた。

     だが、最高裁は、この捜査手法は、個人の行動を継続的、網羅的に把握することを必然的に伴い「個人のプライバシーを侵害し得る」と明確に指摘した。

     GPS捜査については、捜査書類に実施したことを記載しないよう警察庁が全国の警察に通達していたことが明らかになっている。どのような事件で実施しているかなど運用の実態もほとんど公になっていない。

     実施の痕跡が表にでない形で警察の一存で捜査が行われれば、警察が目をつけた対象者の行動監視を際限なく行うなど乱用の懸念が残る。個人の位置情報の記録も警察内部に蓄積され続ける。それがどう利用されるのかは闇の中だ。

     逮捕や捜索など強力な権限を持つ捜査機関に対する裁判官によるチェックの必要性を最高裁が強く打ち出した意味は大きい。判決を受けて警察は厳しく自戒すべきだ。

     判決が今回、新たな立法の必要性に言及したことも注目される。

     電話など捜査機関による通信の傍受について、現行の刑事訴訟法で十分対応できないとして通信傍受法が制定された。その際、事前の令状提示は求めない代わりに、傍受後の対象者に対する捜査の通知が定められ、捜査記録の閲覧も認められた。

     最高裁は、GPS捜査について現行法での対処には、容疑者・被告に対する適正手続きの保障の観点から問題が残るとした。捜査の実効性に配慮しつつ、実施期間の限定や第三者の立ち会い、事後の通知など考えるべき項目も具体的に挙げた。国会での検討が急がれる。

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