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藤原帰一の映画愛

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わたしは、ダニエル・ブレイク

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追い詰められる労働者 イギリスの現実描く

 イギリスというと、貴族やお金持ちの住む立派なお屋敷を連想します。映画なら「ハワーズ・エンド」とか「日の名残り」、テレビでは「ダウントン・アビー」。ドレスをまとう貴婦人にモーニングコートの紳士なんてイメージですね。

 でも、それは社会のごく一部に過ぎません。現実のイギリスでは身分や階級の隔たりが大きく、労働者や移民の暮らしはひたすら地味。そのようなありのままの社会を捉えることが、「土曜の夜と日曜の朝」や「蜜の味」の昔からイギリス映画の課題となってきました。

 ケン・ローチは、その地味なイギリスを描いてきた代表的な映画監督です。常に労働者や移民など富や権力を持たない側に身を置いて、その視点からイギリス社会の現状を告発してきました。もう80歳ですが製作意欲は衰えず、この作品によって「麦の穂をゆらす風」以来2度目のカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞しました。

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