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くらしナビ・気象・防災

地震で家具転倒、防ぐには

家具を固定する金具の取り付け方を学ぶ、家具固定ボランティア養成講座の受講者たち=愛知県知立市で

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受講者たちに家具固定器具の使い方を説明する児玉道子さん(左奥)=愛知県知立市で

 近年の大震災では、多くの人が家具の転倒により死傷した。被害の拡大を防ぐため、家具の配置を見直したり固定したりするなど、家庭での防災対策の徹底が求められている。

 ●固定推進員制度

 南海トラフ巨大地震の被害想定で、家具転倒・落下による死者数が最多とされた愛知県は、2015年度に「家具固定推進員」派遣制度を設け、16年度には「家具固定ボランティア」の養成講座も始め、家具固定の普及を進めている。

 講師を務める一人は、04年に「かぐてんぼう隊」を組織して家具の転倒防止を広めてきた一般社団法人「わがやネット」(同県半田市)の代表理事、児玉道子さん(50)。「家具を固定する前に、どこに家具を置くか、まず配置から見直してほしい」と話す。

 居室内の安全な場所や避難経路を確保するため、寝室や人の集まる居間、扉付近に、大きい家具や揺れで動いてしまう恐れがあるキャスター付き家具を置かないことが重要だと指摘する。

 ●「下地」に金具で

 家具を固定するには、しっかりと取り付けられる場所を選ぶことが重要だ。大きな柱と柱の間にある壁の間柱(まばしら)など、金具が緩んだり外れたりしにくい部材のそばに置く。金具を固定できる柱やはりなど「下地」と呼ばれる部材は、壁の裏側に取り付けられているケースもある。下地が部屋のどこにあるか、家具を固定する前に、センサーなどの専用器具で確認するのが望ましい。

 適当な位置に下地がない場合は、補強板を取り付ける。家具も同様で、枠などの硬い部分に、金具などを取り付ける必要がある。

 ●賃貸では器具を

 賃貸物件で、ねじなどを使えない場合は(1)収納家具は重い食器や本などを一番下に入れ、重心を下げる(2)前に倒れないよう、前側の底部に「ストッパー式転倒防止器具」をかませ、壁に向かって傾ける(3)上部を突っ張り棒で固定する--などの方法がある。

 ●専門家に聞く

 固定器具の選択も重要なポイントだ。家具の形、重さなどに合うものを使わなければ、効果が薄くなる。どれぐらいの震度に耐えられ、どれぐらいの重さの家具に使えるのか、表示で確認する。児玉さんは「我流でやらずに、専門的知識のある団体に問い合わせるか、購入先のホームセンターで聞くことが大切です。いくつかの手段を組み合わせて、大地震が起きても命を守れるよう、防災効果を高めてほしい」と訴える。【清藤天】

南海トラフ、対策徹底で死者1/5に

 家具を固定していないと、どのくらいの被害が出るのだろうか。

 内閣府の南海トラフ巨大地震の被害想定(2012年発表)では、被災地全体で死者は最大約32万3000人にのぼり、このうち約6200人は倒れた家具などによるものとしている。家具による死者は愛知県が約1300人と最も多かった。家具固定などの対策が徹底されれば、想定死者数は5分の1の約6万1000人に減る。家具の転倒などによる死者数に限ってみると、被災地全体では約800人、愛知県では約200人となり、12~15%にまで減らす効果があるという。

 15年に発表された南海トラフ巨大地震の長周期地震動の推計では、200~300メートル級の高層ビルの最上階で揺れ幅が6メートルにもなるとされる。そのため、特に高層マンションでの家具固定の重要性が強調された。

 内閣府の防災世論調査(13年)で、家具等を固定しているのは40・7%で、前回09年調査の26・2%よりも上昇している。それでもまだ、半数にも満たないのが現状だ。

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