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三浦雅士・評 『京舞つれづれ』=井上八千代・著

 (岩波書店・3240円)

 日本舞踊を熱心に見るようになってから三十年にすぎない。坂東玉三郎の芸に感嘆し、教えられて六代目・尾上菊五郎の芸について考えるようになった。その結果、あくまでも素人の見方にすぎないが、日本舞踊と一般にいわれているものの基軸に上方舞(地唄舞とも)を据えると、日本舞踊なるものの現在が立体的に見えてくると思うようになった。歌舞伎舞踊と上方舞を両極とする緊張関係が日本舞踊を形成しているのだ、と。

 上方舞のそのまた極点に京舞・井上流がある。四世・井上八千代が有名だが、誤解を恐れずにいえば、およそ観客に媚(こ)びることのない芸風である。不愛想なほどだ。初世、二世が「御所の御踊(おんおど)り勤(つと)め人(うど)」で私的に能役者の指導をも受けていたという。だが、それ以上に、三世の夫が能楽師の六世・片山九郎右衛門であり、四世の夫が八世・片山九郎右衛門であることを挙げたほうがいいだろう。京舞と能は…

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