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住民の心身・文化踏みにじる
戦後、京都にもアメリカ占領軍が駐留し、府庁本館に京都軍政部、現在のCOCON KARASUMA(古今烏丸=烏丸通四条下ル)に第6軍司令部を置いた程度の知識はありましたが、そのことによってどのような問題が生じたかについては、うかつながら、世界人権問題研究センター研究員・田中隆一さんの論考「占領期京都の社会と人権」(同センター編『人権問題研究叢(そう)書15』2016年12月発行)を読むまで何も知りませんでした。
田中さんは当時の新聞報道を丹念に分析していますが、ここでは紙数の関係で詳細は省きます。やはり予想通り、米軍関係者による多くの加害事実が浮かび上がっていました。一番目立つのが交通事故、それも子どもが犠牲になるタイプの交通事故の多発です。そして「性的慰安施設」にともなう性病の蔓延(まんえん)や女性に対する性的暴行事件の続発が目立ちます。こうした米軍関係者による加害が沖縄などの米軍基地周辺で現在も続い…
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