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香川・豊島産廃

搬出が完了 03年4月開始から14年

 香川県土庄(とのしょう)町の豊島(てしま)に不法投棄された産業廃棄物の搬出が28日、完了した。1980年代初めから車の破砕ごみなどが持ち込まれ、産廃の総量は汚染土壌約1万3000トンを含めて約90万8000トンに達した。住民との公害調停(2000年)に基づき、県が03年4月に搬出作業を始めたが、想定を上回る産廃が見つかったため、搬出完了は当初計画から4年も遅れ、期限の3月末にかろうじて間に合った。

     豊島では午後3時15分、最後の産廃類約9トンを載せた専用輸送船「太陽」が、不法投棄現場近くの桟橋を離れ、産廃を無害化する中間処理施設のある約6キロ西の直島(同県直島町)へ向かった。船が動き出すと、桟橋周辺に集まった約130人の島民から歓声が上がった。浜田恵造知事も見送りに訪れた。処理方法を県に助言している「豊島廃棄物等管理委員会」の永田勝也委員長は「未来にどんな環境を引き渡すべきか、豊島を教訓にしていかなければならない」と強調した。

     豊島には国内最大規模の産廃が不法投棄された。破砕した車から鉄などを除いたシュレッダーダストが中心で、業者が無許可で持ち込み、処分地に埋めたり、野焼きしたりした。公害等調整委員会の94~95年の調査では産廃量は約56万トン。重金属やダイオキシンなどの有害物質も含まれていた。産廃処理の開始後には、想定外の場所で産廃類が見つかるなどし、県は産廃量を繰り返し上方修正した。

     直島での産廃処理は5月下旬まで続く。豊島での汚染地下水の浄化などは少なくとも22年度までかかり、全体事業費は約770億円と見込まれる。【植松晃一】

    豊島の産廃問題

     汚泥や木くず、家畜のふんに限定した産廃処理業を香川県から許可された業者が、1980年代前半から車の破砕ごみや廃油など約90万トンを豊島の所有地に不法投棄した。住民は業者の違法行為を再三訴えたが、県は廃棄物の認定を誤り、業者への適切な指導監督を怠った。90年に兵庫県警が廃棄物処理法違反容疑で強制捜査に踏み切って搬入は止まった。2000年6月に公害調停が成立し、▽17年3月までに豊島から産廃を搬出▽産廃は直島で焼却・溶融し、副成物の再生利用を図る--とした。自動車リサイクル法成立(02年)、廃棄物処理法改正(10年)などに大きな影響を与えた。

    豊島の不法投棄産廃を巡る経緯

    1975年12月 業者が香川県に産廃処理業の許可を申請

      78年 2月 香川県が業者に汚泥や木くず、家畜のふんに限定した産廃処理業を許可

          4月 業者が廃棄物搬入を開始

      83年 1月 業者が金属くず商の許可を取得。車の破砕ごみや廃油類も持ち込まれ、野焼きも

      90年11月 兵庫県警が廃棄物処理法違反容疑で業者を強制捜査

      93年11月 住民が公害紛争処理法に基づく公害調停申請

      97年 7月 公害調停の中間合意。香川県は責任を認める

    2000年 6月 公害調停の最終合意。産廃を豊島外へ17年3月までに搬出し、直島で中間処理するなどの内容。知事が住民に初めて謝罪

      03年 4月 豊島から産廃の搬出開始

          9月 直島で処理開始。産廃約53万トンと汚染土壌約12万トンを13年3月までに終える計画

      11年 8月 廃棄物混じりの土が大量に見つかり、産廃は約81万トンに。13年3月までの処理完了計画が破綻

      16年12月 産廃推定量の増加に伴い、処理完了時期を17年4月に見直し

      17年 2月 産廃推定量が7000トン増え、処理完了時期は17年5月下旬に繰り延べ

          3月 公害調停の搬出期限(31日)直前の28日に産廃の搬出完了

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