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第93回センバツ高校野球

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私も恋をした・センバツ球児へ

将棋棋士 中村太地さん

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インタビューに答える中村太地六段=東京都渋谷区で2017年2月16日、西本勝撮影 拡大
インタビューに答える中村太地六段=東京都渋谷区で2017年2月16日、西本勝撮影

 <2017 第89回センバツ高校野球>

挫折も魅力、原点に返る 中村太地さん(28)=早稲田実

 高校は、将棋と勉強の両立が大変でした。棋士を養成する奨励会の例会は平日にありました。プロ(四段)になった高3の時は学校を休む日が増え、友達にノートを見せてもらったり、テストを受けられずに補習を受けたりしました。

 プロになるには三段でリーグ戦を戦い抜きます。高1のリーグ戦2期目の時に9連勝した後に3連敗し、昇段できなかったことがありました。リーグ戦は半年かけて行われ、プロになれなければ、また一からです。将棋に向いていないのでは、とかなり落ち込みました。でも、この経験を通じて一段と将棋に本気で向かうことができ、4期目でプロになれました。

 将棋は1対1の戦いですが、野球も個々人の技術や気持ちの持ちようなどで通じる部分が多いと思います。挫折をどう乗り越えたらいいか。私の場合は、将棋が好きだという原点に返りました。将棋は20年以上続けても分からないことだらけ。やればやるほど分からないことが増えますが、それを魅力として楽しみ、面白いと前向きに捉えることで成長できました。

 早稲田実は高3になる時にセンバツに出場し、その夏は決勝で駒大苫小牧と再試合をして優勝しました。スタンドで応援しながら、こんな現実があるのかと信じられませんでした。自分も頑張らなきゃな、とすごい刺激になりました。

 野球を通じて礼儀や努力の大切さ、努力しても結果が出ないことがあることを経験できるのは、社会人になって生きると思います。一瞬一瞬を大切に、全力を尽くして自分の道を突き進んでほしいです。多くの人の支えや応援がないとたどり着けない舞台なので、感謝の思いを力に成果が出せるよう頑張ってほしいですね。【聞き手・山下貴史】=おわり


 ■人物略歴

なかむら・たいち

 東京都府中市出身。早稲田実に在学中の2006年にプロ棋士に。早大卒。11年度の勝率(8割5分1厘)は史上2位。順位戦でB級2組に在籍。六段。

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