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井波律子・評 『ザ・ローリング・ストーンズ メイン・ストリートのならず者』=ビル・ヤノヴィッツ著

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 (水声社・1944円)

輝き増すアルバム 原点回帰と出発

 ザ・ローリング・ストーンズはいうまでもなく、一九六〇年代前半から現在に至るまで半世紀以上にわたって、パワフルに活躍しつづける最強のロックバンドであり、七二年に発表されたアルバム「メイン・ストリートのならず者」は、現在ではストーンズの最高傑作の一つと目されている。「ロックの名盤!」シリーズの一冊である本書の著者ビル・ヤノヴィッツは、一九六六年アメリカ生まれ。ストーンズのメンバーより二十歳余り年下だが、このアルバムこそロック少年だった彼にとって、「世界の扉を開ける鍵であった」と述べているように、三十数年にわたりこれを聞き込んだ、年季の入った聞き手にほかならない。

 本書において彼は、当時のストーンズのメンバー、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、チャーリー・ワッツ、ビル・ワイマン、ミック・テイラーの発言や協力した演奏者へのインタビューを交えつつ、さまざまな要素が混ざり合い溶け合って、十八曲からなるこの無上のアルバムが一つの世界を形づくってゆく過程を、徹底的に追跡し再現している。

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