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SUNDAY LIBRARY

木村 衣有子・評『男と女の台所』大平一枝/文・写真

◆『男と女の台所』大平一枝/文・写真(平凡社/税別1500円)

 台所に定型はない。もちろん、男にも。

 のっけからそう思わされたのは、この台所訪問記の、一軒目の見出しに「男と青菜のおひたしは相性が悪い」という言葉が、名言として掲げてあったからだった。この言を発した女の人は、離婚を経験している。理由のひとつは、食の嗜好(しこう)の不一致。自身は、あるときから、引き算的な、野菜が主のごはんを選ぶようになったが、前夫は変わらずがっつりとお肉を求める。そのことが溝を深めていったという。

 一方、うちの、夫とふたりの食卓を振り返れば、肉が足りないと文句を言うのは女である私のほうだったりする。食の相性というのは因果なものだ。でも、自分だけの好き嫌いを頑(かたく)なに守り続けたり、押し付けたりせずに、妥協点を見いだしていかなければ、もの食う時間そのものが、すれ違いの象徴として苦い記憶に塗り込められるままになってしまう。

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