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借金返済額が2倍になる「72の法則」を知っておこう

塚崎公義・久留米大学商学部教授

 年利10%で1000円借りると、借金は1年後に1100円になります。では、2年後には、いくらになるでしょう? 「毎年100円金利がつくから、1200円」という考え方もあります。「借金は1年後に1100円になっているから、それに金利が110円ついて、合計1210円に膨らんでいる」という考え方もあります。前者のような金利の決め方を「単利」、後者のような決め方を「複利」と呼びます。

 1000円を、年利10.5%で単利で借りた場合、借金は2年後に1210円になり年利10%で複利で借りた場合と同じになります。複利の場合には、利子が利子を生むので、金額が膨れ上がる速度が速いのです。2年では、差が大きくありませんが、10年になると、大きな差がつきます。1000円を利率10%で10年借りたとして、単利の場合には2000円になるだけですが、複利では2593円になります。

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久留米大学商学部教授

1981年、東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関係の仕事に従事した後、2005年に銀行を退職して久留米大学へ。「退職金貧乏 定年後の『お金』の話」「老後破産しないためのお金の教科書」「増補改訂 よくわかる日本経済入門」「世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書」「なんだ、そうなのか! 経済入門」など著書多数。