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訃報

大岡信さん死去、86歳 詩人「折々のうた」

大岡信さん=2008年11月、武市公孝撮影

 現代日本を代表する詩人で、古今東西の詩を論じた著作でも親しまれた大岡信(おおおか・まこと)さんが5日、呼吸不全のため死去した。86歳。葬儀は近親者で営む。後日お別れの会を開く予定。喪主は妻で劇作家の深瀬サキ(ふかせ・さき、本名・大岡かね子=おおおか・かねこ)さん。

 静岡県三島町(現三島市)に、歌人の父・博の長男として生まれた。旧制沼津中(現沼津東高)在学中から短歌や詩を書き始め、リルケや立原道造に傾倒した。旧制一高、東大国文科ではエリュアールらのフランス詩や新古今和歌集の影響を受け、本格的な詩作を開始。1952年、雑誌「赤門文学」に発表した評論が中村真一郎の推奨で注目を集めた。

 大学卒業後、読売新聞外報部記者の傍ら旺盛な創作を進め、川崎洋、茨木のり子らの詩誌「櫂(かい)」に参加。56年に飯島耕一らと「シュルレアリスム研究会」を結成、59年には清岡卓行、吉岡実らを加えて詩誌「鰐(わに)」を創刊した。63年に新聞社を退社後は明治大、東京芸術大などで教えながら、幅広い文筆活動を展開。「記憶と現在」「透視図法-夏のための」「春 少女に」など清新な実験精神に富む詩集、「紀貫之」「うたげと孤心」など日本の古典に根ざした斬新な評論を次々と発表し、詩壇をリードした。

 翻訳や戯曲、映画脚本のほか美術、音楽評論も手掛け、加納光於さん、武満徹ら美術家、音楽家と交流した。また安東次男、丸谷才一らと連句を始め、国内外の詩人たちと共同で「連詩」の制作も試みた。朝日新聞連載の「折々のうた」で80年に菊池寛賞を受賞。詩集「地上楽園の午後」で詩歌文学館賞、評論「蕩児(とうじ)の家系」で藤村記念歴程賞、「詩人・菅原道真」で芸術選奨文部大臣賞を受けた。日本現代詩人会会長、日本ペンクラブ会長を歴任し、95年から日本芸術院会員。2003年、文化勲章を受章した。長男玲(あきら)さんは作家。

 70歳を超えてからも執筆を続けたが、09年に脳出血で倒れた後は一線を退き、療養に努めていた。同年、三島市に「大岡信ことば館」が開館した。

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