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くらしナビ・気象・防災

災害時の外国人観光客避難

小樽運河に近い堺町通り商店街に設置されている避難誘導看板=北海道小樽市で、三沢邦彦撮影

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津波による浸水が想定される観光名所の小樽運河=北海道小樽市で、三沢邦彦撮影

 東日本大震災をきっかけに、観光地の防災が注目されている。特に大きな課題となっているのが、急増する外国人観光客対策。外国語で書かれた避難誘導看板の設置や対応マニュアル作成などが進むが、取り組みはまだ始まったばかりだ。

 ●人気がある北海道

 北海道を訪れた外国人観光客は、2015年度に200万人を突破した。人気スポットの一つが、港町として栄え、歴史的建造物が並ぶ小樽市。中国や韓国、東南アジアからの来訪者が急増し、同年度の外国人宿泊者数は約15万人に達した。

 北海道では2月、日本海側の36市町村の新たな津波浸水予測が発表された。小樽市の最大浸水域は520ヘクタールと、前回(10年)予測の4倍に拡大。観光客が集中する小樽運河周辺も浸水が予想され、地震発生時には地域住民に加えて観光客の避難誘導が重要になる。

 市は、土産物店など82店舗が軒を連ねる運河近くの「堺町通り商店街」など19カ所に、津波の際の避難誘導看板を設置した。日本語のほか英語、中国語、韓国語、ロシア語が併記されている。

 ●国籍多く限界も

 ただ、同商店街振興組合の簑谷和臣事務局長は「観光客が多国籍化し、津波避難の情報を伝えることは難しい。表示板の増設や街頭放送などを考えたが、商店街だけの力では避難誘導は限界がある」と指摘する。

 市は17年度予算に、津波ハザードマップの改定版作製費など760万円と、防災無線の整備事業費1200万円を計上した。市総務部災害対策室の半田登希夫主幹は「新たなハザードマップを基に地元町内会や商店街に説明し、今後の対策を検討したい」としている。

 ●避難所対応が課題

 一方、「日本百名山」に挙げられた利尻山(1721メートル)がある利尻島の利尻富士町は、津波が最大12・7メートルに達し、定期フェリーが停泊する鴛泊(おしどまり)港や沿岸部を走る主要道路付近など約180ヘクタールが浸水する恐れがあるとされた。

 15年度、町内に宿泊した外国人観光客は1632人。町は16年度までに「津波一時避難経路」という日本語と英語の文字や矢印が表示された看板43基を新設した。ソーラーパネルによる充電式で、夜間は明かりがつく。ただ避難所などでの外国人観光客対応は進んでおらず、町は「今後の検討課題」としている。

 ●マニュアル作成

 北海道観光振興機構は15年度、宿泊施設などの観光関係団体向けに「外国人観光客災害時初動対応マニュアル」を作った。外国人観光客が取りやすい反応や対処法を紹介している。

 作成に当たった道銀地域総合研究所(札幌市)の担当者は「海外から観光客を呼び込む以上は、災害対策もきちんとしなければならない。地震がどのようなものか知らない人も多く、自治体と関係団体が協力して対策を進める必要がある」と話した。【三沢邦彦、今井美津子】

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