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余録

「それで誰が得をするのか?」は…

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 「それで誰が得をするのか?」は推理小説の犯人捜しの第一歩だ。ラテン語でそれを意味する「クイ・ボノ」は古代ローマの判事、カッシウスが発した言葉で、犯行で利益を得る人物が疑われるのは昔からだ▲逆にいえば自分の不利益になる犯罪ではその人物は容疑者リストから外されるのが常だが、そうはいかなかったシリアのアサド政権だった。反政府勢力の拠点の空爆で化学兵器を使い、子どもを含む多数を殺傷した非道の容疑である▲内戦で優位に立ち、先日は米政権もその現状の追認を表明したアサド政権だった。どうみても化学兵器使用は百害あって一利ないのになぜ……と、推理がもつれそうなところでいきなり犯人を指さした「世界の警察官」の出現である▲「アサド政権は一線を越えた」。米トランプ政権はこう犯人を断定し、一転してシリアに対する巡航ミサイル攻撃に踏み切った。シリア内戦ではオバマ前政権が拒否し、トランプ氏も選挙中は否定していた「警察官」役の復活である▲もちろん犯人断定には相応の根拠があるだろうが、だしぬけの実力行使にはどんな政治的目算があったのか。何しろこわもてのトランプ政権としては初の対外軍事行動である。その国際的波紋や国内の反響は十分に計算されていよう▲シリア内戦の当事者はもちろん、ロシアや欧州、東アジアなど世界へのメッセージをもはらむトランプ政権の腕力の誇示である。だが先行きの見通しは一向に良くならない。「それで誰が得をするのか?」

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