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<社説>浅田真央さん引退表明 涙と笑顔の演技忘れない

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 フィギュアスケート女子の浅田真央選手(26)が現役引退を表明した。「選手として続ける自分の気力もなくなりました」とブログで明かした。輝く笑顔を勝負の場で見ることができなくなるのは寂しい限りだ。

 浅田さんが人々の心をつかむきっかけとなったのは12歳で出場した2002年12月の全日本選手権(京都)だ。今や代名詞のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決め、初出場で7位に入った。その衝撃的な演技から「天才少女」と呼ばれるようになった。

 だが「天才」のひと言で浅田さんを語ることはできない。練習の虫だった。練習が長時間になるのはもちろん、空き時間があればリンクに立とうとした。コーチは練習を止めることに苦心したというが、その豊富な練習量を自信の源にした。

 世界選手権には9回出場し、3度優勝した。14年ソチ五輪後の1年の休養を除き、これだけの期間をほぼ休みなく世界のトップで滑り続けたスケーターはまれだ。

 数ある演技の中で最も人々の印象に残っているのはソチ五輪のフリーだろう。ミスが相次いだショートプログラム(SP)から一夜で立て直し、計8回の3回転ジャンプを成功させた末の涙と笑顔は多くの国民の心を動かした。

 10代半ばに世界から注目され、重圧を受ける中、勝てない時でも「真央スマイル」を忘れない姿に人々は親しみを覚えた。その存在は現在のフィギュアスケート人気の火付け役となったばかりか、アスリートの枠を越え国民的ヒロインにもなった。東日本大震災の復興支援にも取り組み、スケート教室やアイスショーの場で被災者と交流を図った。

 近年は左膝に痛みも抱えていたという。左はジャンプを踏み切る足だ。長年の競技生活で相当な負荷がかかっていたに違いない。

 国内外を問わず、次代を担う10代の選手の多くが浅田さんにあこがれ、その背中を追いかけてきた。女子の選手層は各国で厚くなった。五輪の最高成績は10年バンクーバー大会の銀メダルだが、フィギュア界への功績は金メダルに匹敵する。

 浅田さんの競技生活はジュニア時代も含め約15年にわたった。心から「お疲れさま」と伝えたい。

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