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くすぶる懸念「次の大地震」 未活動断層も

 大きな被害を出した熊本地震から14日で1年。2回起きた震度7の地震はどのように発生したのか。小規模も含めて余震が多発したが、震源に近い断層でまだ本格的に活動していない地域もあり、次の大地震を懸念する専門家もいる。

余震が多発

 熊本地震は、昨年4月14日に発生したマグニチュード(M)6.5の前震、同16日にあったM7.3の本震の両方で、震度7を記録したことで注目された。観測したのは熊本市の東の熊本県益城町だ。前震と本震それぞれを起こした2本の断層帯が地下で交わるうえ、軟弱な地盤だったことが影響したとみられている。

 小規模なものも含めて地震が多発したことも特徴だ。気象庁によると、揺れを感じない小さな地震も含めると、九州全体で1年間に13万回も発生。大部分が熊本地震の余震だ。M3.5以上に限っても339回も起きた。最大震度7を記録した他の内陸型地震の発生後1年間を見ると、2004年の新潟県中越地震(M6.8)は200回台半ば、1995年の阪神大震災(M7.3)は100回を少し上回る程度で、熊本地震での多さが際立つ。

 東北大の遠田晋次教授(地震地質学)は「九州には、分かっている活断層のほか、隠れた小さな断層もたくさんあると考えられる。それが地震の多さにつながっているのではないか。活断層の末端はほうきの穂先のように細かく広がっているという考え方があるが、まさにそんな形で震源が分布している場所もある」と指摘する。

特異な連鎖?

 政府の地震調査研究推進本部(地震本部)は、前震が起きたのは日奈久(ひなぐ)断層帯の3区間のうち、最も北にある高野-白旗区間との見解を示している。

 本震はその北側にある布田川断層帯のうち、主に北東端の布田川区間が活動し、前震で動いた高野-白旗区間も動いた連動型地震と考えられる。地震でできた土地の亀裂など「地表地震断層」の調査結果などから分かった。さらに詳しく分析すると、高野-白旗区間で前震を起こした場所は断層が東に傾いているのに対し、本震の場所は西に傾いていることが分かってきた。

 この関係から注目されるのが、前震発生から約2時間半後に起きたM6.4の余震(最大震度6強)だ。前震と本震が起きた2区間の断層の接点付近が震源になった。遠田教授は「これは前震の余震だが、断層は西に傾いていて、本震が起きた断層の形状に近い。前震に刺激されて動いた断層が、本震の断層が動く素地を作った可能性がある」と推測する。

軟弱地盤も懸念

 小さなものも含めて余震が多発した一方で、比較的大きな余震が少ない地域がある。今後そこが本格的に活動し、大地震が起きるのではないかと心配している専門家も少なくない。

 前震を起こした日奈久断層帯では、南西側の日奈久区間から八代海区間がこれに当たる。調査を進めている産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の宮下由香里・活断層評価研究グループ長は、「特にこの区間がかかっている八代平野は、過去は海だった軟弱な地盤の所が多いので、地震が起きると非常に揺れやすい土地と言える」と注意を呼びかける。

 現在、断層の付近を掘削して地層を調べたり、余震の震源の位置などを分析したりして、日奈久断層帯は3区間ではなく、2区間に分けた方が実態に合いそうだとの可能性が浮上している。宮下さんは「3区間の真ん中の日奈久区間の中央で分け、全体を2区間とするのが妥当かもしれないとの指摘が、他の調査からも出ている」と話す。断層の状態がより正確に分かれば、有効な防災対策につながることが期待できる。

 本震を起こした布田川断層帯では、3区間のうち中央にある宇土(うと)区間と西端の宇土半島北岸区間で規模の大きな地震が少ない。近くに地域の中心都市である熊本市があり、大地震があれば大きな被害が出ることもあり得る。遠田教授は「中規模以下の地震は起きており、地下のひずみはある程度解放されているとみられる。そのためM7級が起きる可能性は低いと思うが、M6級は十分に考えられ、警戒が必要」と訴える。【飯田和樹】

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