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房総で大繁殖14年で50倍5万頭 農業被害拡大

住宅街の生け垣で食料を探しているとみられるキョン=千葉県いすみ市大原台で2017年1月28日午後5時18分、石井遥撮影
キョンが生息し千葉県が集中防除区域とした市町

 中国や台湾に住む小型のシカ「キョン」が、千葉県勝浦市など房総半島で急増している。同市の観光施設から逃げ出して野生化したとみられ、県によると推定生息数は2002年の約1000頭から16年は約4万9500頭と、14年間で約50倍に増えた。ゴルフ場や民家近くに頻繁に出没し、農業被害も続出。旺盛な繁殖力に捕獲が追いつかず、関係者は頭を悩ませている。

 キョンは体長約1メートル、体高約40センチ、体重約10キロで、ホエジカの一種。愛くるしい目が特徴だが、国内では東京・伊豆大島でも動物園から逃げ出して野生化し、繁殖しているという。生態系や農林水産業に被害をもたらすおそれがある特定外来生物に指定されている。

 房総半島では、フラミンゴショーやクジャクの飛行ショーで知られた同市の観光施設「行川(なめがわ)アイランド」(01年閉園)から逃げ出したとみられる。県によると、1980年代から野生化したキョンが目撃されるようになった。生後半年で妊娠し、1歳からは通年出産できるため、繁殖が速い。同市から鴨川市、いすみ市など約40キロ圏内に多く生息している。

 県農地・農村振興課によると、15年度のキョンによる農業被害額は約95万円で、統計を取り始めた04年度以来最高となった。葉物野菜や果樹の新芽を食べられた被害が大半を占める。人的被害は報告されていないという。

 民家にも入り、庭の花を食べたりフンしたりをすることから住民も困惑。勝浦市の男性(77)は「2日に1度は家の近くに来る。スイセン以外の花は食べられてしまうので植えられない。夏場は夜に『ギエー』という鳴き声が聞こえてくる。増え過ぎて手のつけようがない」と話す。

 県は00年から駆除計画を立て、地元猟友会と協力してわなを仕掛けるなど対策を取っているが、15年度の捕獲数は2187頭と繁殖の速度に追いつけていない。県自然保護課の担当者は「外来生物で生態がよく分からず捕獲が困難。県で生態を調査して効率的な捕獲方法を研究し、市町村単位で捕獲に力をいれてもらうしかない」と苦悩をにじませた。【石井遥】

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