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天皇陛下が退位し今の皇太子さまが即位すると、皇位継承順位第1位は秋篠宮(あきしののみや)さまになる。政府はその際の敬称を次の天皇を意味する「皇嗣殿下(こうしでんか)」とする方針という。
政府は国民が慣れ親しんでいる秋篠宮の宮号(みやごう)を維持する方針だが、それだけでは皇位継承者という地位は伝わらない。世継ぎ(皇嗣)を明確に示す狙いは理解できる。
しかし、政府の有識者会議の専門家ヒアリングでは歴史上実例がある「皇太弟(こうたいてい)」を推す案もあった。皇太子と同格の位置付けで、自然な表現だ。それがなぜ排除されたのか。
皇室典範は「皇嗣たる皇子(おうじ)を皇太子という」と定める。皇太子は、皇位継承順位第1位の天皇の子であり、天皇の長男を指す。このため、秋篠宮さまは皇太子にはなれない。
一方、皇室典範には、皇位継承第1位となる天皇の弟についての称号は規定されていない。だが、古くは弟が皇位継承者となったのは18例あり、このうち3例は皇太弟の称号が天皇から与えられた。
皇太弟とする案は過去の実績を踏まえた提言だが、皇太弟を皇位継承の制度として導入するには皇室典範の改正が必要だ。これを避けるための案が「皇嗣殿下」ではないか。
安倍政権は特例法で今の陛下一代に限って退位を認める方針だ。普遍的な退位要件の設定が難しいことから皇室典範改正ではなく特例法により対処することはやむを得ない。
ただし、たとえ皇太弟の呼称を使えるよう皇室典範を改正したとしても、その法体系を大きく変えることになるとは思えない。
皇室典範は皇位継承を男系男子に限定し、直系主義を基軸とする明治時代の旧典範の思想が受け継がれている。安倍政権の支持基盤である保守層には改正への抵抗が強い。
皇室典範改正がアリの一穴となって根幹部分を揺すぶり、女系や女性天皇へと道が開かれることを警戒しているのかもしれない。
皇室典範の改正はまかりならぬという態度だとすれば、それは安倍晋三首相が嫌う、憲法の一字一句を変えないとする原理主義的な護憲派の姿勢に通じるのではないか。
女性宮家創設など皇室改革の議論は避けて通れない。皇室典範改正に柔軟な姿勢が求められよう。
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