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熊本地震1年/1 女子サッカーチーム「熊本ルネサンス」 不安一蹴、笑顔で再生

 約3カ月ぶりにグラウンドに笑顔と活気が戻ってきた。地震による被災に加え、運営法人の解散という2度の試練を経験した女子サッカーチーム「熊本ルネサンス」。今月1日に新体制で生まれ変わり、副主将を務める浜田恵里奈(25)は「サッカーをできる喜びがみんなの表情に表れていた」とホッとした表情を見せた。

     昨年4月、チームが本拠地としていた益城(ましき)町を震度7の地震が2度襲った。熊本に移籍して4年目だった浜田副主将の自宅アパートは全壊。チームは約1カ月半、活動を休止し、浜田副主将は熊本市内の「みなし仮設住宅」に移った。「サッカーも生活もどうなるんだろうか」と暗い気持ちにもなりかけた。

     練習拠点だった益城町総合運動公園は避難所になって使用できなくなった。チームは練習場所を求めて、小学校などを転々とした。練習環境は十分といえなかったが、8月から始まった九州女子サッカーリーグ後期では、9チーム中2位と好成績を残した。「私たちの活躍で県民の笑顔が増えたらいいな」。浜田副主将も希望を見いだした。

     だが、地震の爪痕は目に見えないところまで及んでいた。スポンサーの地元企業も被災したため、運営の資金繰りが悪化した。運営法人は継続を困難と判断。昨年12月にチームの解散が告げられた。

     「熊本でサッカーができないかもしれない」。1年目だった吉川亜希副主将(23)はショックを受けた。兵庫県川西市から縁もゆかりもない熊本に来たばかり。地元に帰って別のクラブを探すか、もしくはもう一つの夢である教員の道に進むため引退するか考えた。だが、「まだ体力的にもできる」と、後悔しないためにもサッカーを続ける道を信じた。

     小学校の非常勤講師と中古車会社のアルバイトをしながら、仕事後に一人で走ったり、何人かでボールを蹴ったりと自主トレーニングを続けた。一緒に困難を乗り越えようとする仲間の大切さを改めて感じ、「サッカーをさせてもらえるのはありがたい。サッカーで恩返しすることが一番」と決意を決めた。

     この間、前のチームからゼネラルマネジャーを務める山下恭典氏が企業を駆け回り、最後になって菓子メーカー「木村」(熊本市南区)から支援を取り付けた。一般社団法人「熊本ルネサンス」(熊本県御船町)を設立して今季に間に合った。

     チーム名には前のチームから引き続き「ルネサンス」をつけた。日本語での「再生」の意味に復興へ歩みはじめた故郷の思いを重ねた。だが、選手は前のチームの9人を含めた12人と厳しい面も残る。「休まずに攻守に動きまわる姿を見せられたら」と浜田副主将。23日に初戦を迎えるリーグで自分たちの思いを伝えるつもりだ。【佐野優】=つづく

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     熊本地震から1年を迎えた。被災地でのスポーツの現状と、復興へ進み始める関係者の姿を伝える。

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