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社説

大阪万博誘致を閣議了解 これでパリに勝てるのか

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 政府は2025年国際博覧会(万博)の大阪誘致を閣議了解した。博覧会国際事務局(BIE)に近く立候補を申請する。

 東京一極集中が進み、関西経済の低迷が続く。20年東京五輪・パラリンピックやリニア中央新幹線東京-名古屋開業で取り残されるという不安もある中、万博による景気浮揚効果を期待する声は理解できる。

 しかし、経済活性化を追い求めるだけでは世界からの支持を集めることはできない。21世紀の万博に求められる理念を示し、説得力のある開催計画を策定する必要がある。

 国の有識者検討会は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする報告書をまとめ、人工知能(AI)やロボットなどを駆使した体験・交流型の万博を提言した。

 当初のテーマ案は「人類の健康・長寿への挑戦」だった。しかし、若者や途上国に関心を持ってもらおうと変更した。逆に抽象的で方向性があいまいになってしまった。

 報告書には「世界お笑いグランプリ」「仮想現実でゲームキャラクターと対面」といった事業例が示されている。地球規模の共通課題の解決策を考える万博にふさわしい事業と言えるのか疑問が残る。

 検討会は3回で終わった。議論が拙速だったと言わざるをえない。

 開発のめどが立たない大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)が会場で、建設費は約1250億円かかり、国と地元自治体、経済界の等分負担で合意した。

 しかし、経済界では資金確保のめどが立っていない。巨額の税金を出すことへの国民の理解を得たと言える状況でもない。

 夢洲ではさらにカジノを含む統合型リゾート(IR)の計画が進む。ギャンブル依存症が指摘されるカジノに慎重な意見は根強い。万博との並行事業とするには問題が多いが、議論はほとんどなかった。

 既に立候補したフランス・パリの開催テーマは「共有すべき知見、守るべき地球」だ。地球温暖化対策の枠組みとして合意したパリ協定を理念の中心に置いた。

 日本では誘致委員会が発足したばかりだ。パリとは厳しい競争が予想される。開発優先やカジノを見込んだ万博誘致では、国内外の共感を得ることはできないだろう。

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