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笑いながら遺棄容疑者「俺が疑われている」

レェ・ティ・ニャット・リンさんの遺体が発見された現場付近には多くの花束が手向けられていた=千葉県我孫子市で2017年4月14日午後0時26分、長谷川直亮撮影

保護者会長としてベトナム帰国費用の寄付募る文書配布

 千葉県松戸市立六実(むつみ)第二小3年だったレェ・ティ・ニャット・リンさん(9)=ベトナム国籍=の遺体発見から19日。14日に逮捕された自称不動産賃貸業、渋谷恭正(やすまさ)容疑者(46)は事件発覚後、同小の保護者会「二小会」の会長として、リンさん家族がベトナムへ帰国する費用の寄付を依頼する文書を保護者らに配布していた。「まさか会長とは……」「何を信じたらいいのか」。保護者や児童らは強い衝撃を受けた。

11日入学式で保護者代表で「勉強やスポーツを楽しんで」

 周辺住民らによると、渋谷容疑者は東武野田線六実駅近くにある所有マンションの4階に住み、2人の子供を毎朝、同小に送っていた。しかし、リンさんが行方不明になった3月24日朝、ほぼ毎日参加していた見守り活動には姿を見せなかった。

 「子供思いの人だったのに」。渋谷容疑者の逮捕の一報を聞いた近隣住民は、驚きを隠さない。

 自身も同小出身で、昨年度からは二小会の会長を務め、11日の入学式では保護者代表として「学校では勉強やスポーツを楽しんでください」と新入生に呼びかけたという。

 登校時間帯には、交通量の多い学校近くの丁字路の交差点で、見守りボランティアとして旗を持って児童を誘導していた。リンさんもこの交差点を通っており、複数の保護者や住民は「(容疑者は)見守り活動でリンさんのことを知っているはず」と証言する。

 小2の子供を持つ30代の母親は「会長は他にやる人がいなくて、昼間に時間がある渋谷容疑者がやることになったと聞いた」と話す。20日には二小会の総会が予定されており、渋谷容疑者は今年度も会長に承認されるはずだった。

 保護者の男性会社経営者(33)によると、始業式があった5日、渋谷容疑者が呼びかけた募金の案内文が、児童を通じて保護者に配布された。「ご遺族の帰国費用がかなりの金額に上るとのことで、少しでも助けになればと皆様にご協力をお願いしております」。リンさん家族がベトナムに帰国する費用の援助を保護者に依頼する内容だった。

 一方、事件後には周囲に「疑われている」とも漏らしていた。地域の防犯活動をしている男性(75)は今月上旬、渋谷容疑者とすれちがった時に突然、「俺が疑われている」と話しかけられたという。「笑いながらだったので、冗談だと思って気にもとめなかった。今考えれば後ろめたい気持ちがあったのかもしれない」と語った。【内橋寿明、山本佳孝、加藤栄】

16日に緊急保護者会、動揺を隠せぬ住民ら

 小学校では16日に緊急保護者会が開かれる予定だが、住民らは動揺を隠せない。

 リンさんと同級生の娘を持つ母親(35)は「娘は突然夜泣きをすることもあったが『リンちゃんはベトナムに帰ったんだよ』と説明して気持ちを落ち着かせてきた。この状況をどう説明したらいいのか」と困惑する。

 2歳で来日したリンさん。2015年12月に家族と川崎市から引っ越して松戸市立六実第二小に転入した。日本語の勉強に努め、あいさつ程度から日常会話に困らないほどに上達。人懐っこい性格で、元気に遊ぶ姿を近所の人が目にしていた。将来の夢は母と同じツアーガイドで「日本の友達にベトナムを紹介したい」と話していた。

 同小6年の女子児童は「今日の全校集会で、校長先生から容疑者が逮捕されたと話があった。会長と知ってびっくり。登校時にあいさつしたことがある。優しそうな人だった」と話す。

 松戸市の本郷谷健次市長は記者会見で「子供を守るべき人が容疑者だったということで、安全対策を見直さざるを得ない」と苦渋の表情を浮かべた。【小林多美子、三股智子、橋口正】

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