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子どもケア、受講急増 「見る、聴く、つなぐ」心理的処置

熊本地震後、熊本市保育園連盟が開いた「子どものためのPFA」の研修会=熊本市内で、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン提供

 災害時などにストレスを抱えた子どもをケアする行動原則として国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」が普及を進める「子どものための心理的応急処置(PFA)」の研修受講者が、昨年4月の熊本地震後、大幅に増えている。月平均50人程度だった受講者は、地震後は申し込みが相次いで同100人以上に倍増。同NGOは「PFAの知識を幅広く共有できるようにしたい」と意気込む。

     地震から2カ月後の熊本市内。市保育園連盟が主催したPFAの研修会に、保育士計約150人が参加した。「子どもが『地震ごっこ』をしたら、どう対応したらいいでしょう?」。参加者の問いに、講師の国立病院機構災害医療センターの河嶌譲(かわしまゆずる)医師は「遊びを止めず、全員が避難できるようないい結果で終われるようにしましょう」と助言した。

     PFAは「Psychological First Aid」の略。2011年に世界保健機関(WHO)などが紛争や災害に備えたマニュアルを作り、13年にセーブ・ザ・チルドレンが子どもの支援用に書き換えた。原則は「見る・聴く・つなぐ」。ニーズや心配事を把握して落ち着ける手助けをし、必要な公共サービスなどにつなぐことを目指す。

     同NGOは地震直後から、学校など5カ所に「こどもひろば」を設け、遊びを通した支援をしてきた。責任者の一人だったスタッフの赤坂美幸さんは、東日本大震災の時に比べ、医療や教育のプロとの連携に手応えを感じたという。「PFAの意識を持って臨めたのは大きかった。誰でも実践でき、支援の質も高まる」

     14年7月に同NGOが研修を始めて以降、熊本地震までに約1000人がPFAを学んでいたが、その後は1年間で災害医療関係者、支援団体、学生ら1290人が受講し、ペースは2倍になった。赤坂さんは「自分で問題を解決するのではなく『つなぐ』までが役割だと知ることで、支援者側も気が楽になる」と学ぶ効果を語る。

     当時、教室の一つを「こどもひろば」として開放した益城町立飯野小の柴田敏博校長によると、児童が元気に遊ぶようになって周囲の大人や中高生にも活気が生まれたという。「子どもの笑顔は復興のパワーになる」と、早期のケアの大切さを訴える。【清水健二】


    子どものための心理的応急処置とは?

    ・専門家にしかできないものではない

    ・話を聞き、ニーズや心配事を確認する

    ・感情や反応を無理に聞き出さない

    ・支援が必要と思われる子に寄り添う

    ・公共サービスや社会的支援につなぐ

    ・自分で問題に対処できるよう手助けする

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