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「被爆再現人形」25日に幕

4月25日を最後に姿を消す「被爆再現人形」=広島市中区の原爆資料館で2017年4月18日、山田尚弘撮影

 広島市の原爆資料館で40年以上、来館者にインパクトを与えてきた等身大の展示物「被爆再現人形」が今月25日を最後に、改装に伴う本館閉鎖で姿を消す。撤去は2013年に決まったが、来館者らから「被害が分かりやすいのに」と惜しむ声が上がり、賛否の意見がある。資料館は改装後、被爆者の遺品など実物資料の展示を重視する方針で「原爆で運命を変えられた人々の人生を浮かび上がらせたい」と強調している。【山田尚弘、竹下理子】

 やけどで皮膚が垂れ下がった両腕を突き出した親子が、燃えさかる街を歩く--。再現人形は1973年から初代が展示され、91年から2代目が本館入り口近くにある。

 インドから訪れた女性は「実際はもっとひどいことが起きたはずだと子どもに伝えた。撤去は残念」と話す。広島県廿日市市の女子高校生は「小学4年の時に見て怖いというトラウマがあり、見られない」と顔を背けた。

 人形づくりは、当時の山田節男市長がロンドンのろう人形館をヒントに提案。初代人形を置いた第4代館長の浜崎一治さん(88)=広島県呉市=は、被爆者治療をした医者を人形職人と訪ね、更に実際に被爆者が着ていたもんぺや防空ずきんを人形に着せた。浜崎さんは「職人は被爆直後の人の皮膚がどんな状態だったかに気を配り、微に入り細に入り熱意を持って再現を試みていた」と振り返る。

 市は10年から展示更新について議論をしてきた。検討会議委員で広島県原爆被害者団体協議会理事長の坪井直(すなお)さん(91)は「被爆者から見れば(実相を反映しておらず)人形はおもちゃだ」と指摘。他にも「人形は実物ではなく事実でない」との意見もあり、撤去が決まった。

 これに対し、「子どもが怖がるからといって撤去するのはおかしい」などの声がインターネット上で上がった。撤去の撤回を求める活動も起き、約1万人分の署名が広島市議会に提出された。呼びかけた同市佐伯区の会社員、勝部晶博さん(46)は「被爆者に近い人の意見を取り入れた人形は、今後作ることができず価値がある。撤去で展示に抜け落ちる部分がないのか、改装後に検証すべきだ」と訴える。

 資料館は「怖いから撤去するというのは誤解」とし、ホームページ上で人形の写真公開を続けている。特別展などで展示する可能性もあるという。

 資料館本館は26日から閉館。同日、リニューアル工事を終えた東館がオープンする。

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