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余録

直木賞にその名を残す直木三十五…

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 直木賞にその名を残す直木三十五(なおきさんじゅうご)(1891~1934年)は「南国太平記(なんごくたいへいき)」などの大衆小説で人気を集めた。無頼派作家の社会への厳しい目は、大学進学で上京するまで生まれ育った大阪にも容赦なく向けられた▲「文化的進歩よりも、金儲(もう)けの方が大事だろうから、せいぜいもがくがいい」。随筆集「大阪を歩く」は、都市景観より利益を優先する風潮を苦々しく思ったのか、批判的に書いている▲戦前の大阪市は旧東京市の人口を超えたことがあり、全国初の公営地下鉄開業など発展が著しかった。戦後も高度経済成長をリードしたが、70年大阪万博以降、東京との格差は開いた▲政府は2025年国際博覧会(万博)の大阪誘致を決め、24日に立候補を申請する。先端科学技術を体験できる「常識を超えた万博」を目指すが、関西の景気浮揚策にしたい思惑がある。会場予定地の人工島・夢洲(ゆめしま)では、大阪府・市がカジノを含む統合型リゾート(IR)の計画も進める▲万博に便乗してバブルの負の遺産の人工島をカジノで開発しようとのもくろみが透けて見える。だが、ギャンブルと万博の理念は相いれない。国は博覧会国際事務局(BIE)への提案書にカジノ計画は記載しないという。PR活動に差し障りがあるからだろう▲随筆で直木は「科学的発達に志す外(ほか)、日本及び大阪の発達はない」と書き、富豪の寄付を科学研究に使うよう提案した。一獲千金を狙うより科学や文化の進展に知恵と金を使う。万博の意義に合う考えだ。

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