メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

池澤夏樹・評 『無常の使い』=石牟礼道子・著

 (藤原書店・1944円)

 長い小説ならば要約もできるけれども、短いものを集めて、その一つ一つが気持ちの籠もった文章で、そこに語られるのが魂の真実となると、引用だけで書評を組み立てたくなる。

 これは追悼文集である。

 まずはタイトルのこと。

 「五〇年くらい前までわたしの村では、人が死ぬと『無常の使い』というものに立ってもらった。必ず二人組で、衣服を改め、死者の縁者の家へ歩いて行ったものである」と一行目を読んで、この「無常の使い」に引き込まれる。

 たしかに諸行は無常、死は時を定めず誰のもとにも訪れる。故人に縁(ゆかり)の人々は集(つど)って葬儀を行わなければならない。その参集を乞う使者が四方に遣わされる。行った先での口上は--。

この記事は有料記事です。

残り1707文字(全文2023文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 医療従事者153人の感染判明 院内感染も発生 医療崩壊の懸念 新型コロナ

  2. 愛知県警でクラスター発生 警察官や親族など計21人感染

  3. 横浜の「コロナファイター」卵 研修医2人感染 3月下旬に連日同期会やカラオケ

  4. ORICON NEWS 本田翼、外出する若者に「がくぜんとした」 新型コロナ感染拡大防止に訴え

  5. 各国で計画進むBCGの臨床試験 感染予防へ高まる期待 「命の危険」懸念も

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです