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福島次郎

熊本の戦後文学作家、『現車』初の完全版 庶民と町の変遷、圧巻の語りで

 <日曜カルチャー>

出版に尽力・渡辺京二さん「今読んでも清新」

 熊本の戦後文学を代表する作家、福島次郎(1930~2006年)の長編小説『現車(うつつぐるま)』(前篇(ぜんぺん)2592円・後篇2808円、論創社)が刊行された。原稿用紙2000枚超の大作。前篇を収めた『現車』(日本談義社)が61年に出版されて以来、56年ぶりの完成となる。出版に尽力した熊本市在住の日本近代史家、渡辺京二さん(86)は「日本近代文学を超えた語り(騙(かた)り)の文体が出色。観察眼も生きている。熊本の明治・大正・昭和をこれだけ包括的に描く作品は比類がない」と話す。【米本浩二】

 純文学シーンに独自の航跡を残した福島次郎は、熊本市内の賭博の胴元だった母親の私生児として誕生した。4人きょうだい全員父親が違う。高校教師をしながら地元の『詩と真実』同人として創作にのぞみ、同性愛をテーマとした「バスタオル」(96年)と「蝶のかたみ」(98年)が芥川賞候補になった。98年には三島由紀夫との愛憎をつづった『三島由紀夫-剣と寒紅』を出版。三島の未公開書簡掲載などで著作権侵害だと遺族に訴…

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