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詩歌の森へ

木俣修の歌を鑑賞=酒井佐忠

 木俣修の短歌を知らない人も多くなった現在である。北原白秋の美意識を受け継ぎつつ、戦中戦後を生き抜く現実を格調高く歌った作品を残した。学究者としての功績も多い。歌人が没して三十数年を経たいま、木俣を師として仰ぐ外塚喬が、『木俣修のうた百首鑑賞』(現代短歌社)を刊行した。外塚は現在、仲間たちと冊子「木俣修研究」の出版を続けているが、最晩年までの鑑賞本は初めて。師に長く接した歌人ならではの精密な読みで、人間像が浮き彫りにされる。

 <地平の果もわが佇(た)つ丘もさばかるるもののごと鎮み冬の落日>。歌集『冬暦』にある代表歌。裁かれる「わが佇つ丘」は、戦争という痛ましい事実を経た現在の姿と著者はとらえる。その上で、「世の中のすべての人が戦争について考えなければならない」ことを自省を込めて歌っているものと考える。

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