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管制一元化へ 来年1月にも、災害時には移動命令

東京湾の海上交通管制一元化

 世界でも有数の船舶過密海域となっている東京湾で、海上保安庁は来年1月にも、1都2県の5カ所に分散していた交通管制室などを横浜市の新海上交通センターに統合する。東日本大震災の発生直後は、湾内から沖合に向かう多数の船舶を各交通管制室が整理できず、海難事故が起きそうになった。その教訓から首都直下地震を想定し、情報の収集と発信を一元化する。

 統合の対象は東京、横浜、川崎、千葉の各海上保安部・署にある港内交通管制室と、東京湾海上交通センター(神奈川県横須賀市)。管制機能は、第3管区海上保安本部(横浜市)と同じ庁舎に設ける新海上交通センターに集約される。

 これまで船舶は湾内に入る際、入り口の観音崎に位置する東京湾海上交通センターに連絡。港で積み荷を降ろす際は、それぞれの交通管制室が時間調整をしていた。また、災害時に交通管制室が無線で流す情報について、船舶は港の限られたエリアでしか聴く義務はなかった。

 しかし、東日本大震災で問題点が浮き彫りになった。海上保安庁によると、湾内では常時100隻ほどが港に入るための連絡を管制室から待っている。地震発生後、安全な沖合に向かおうとする船舶を、それぞれの交通管制室がコントロールできない状態になった。港から出る船舶を含めて一時、湾の中心部に400隻が密集し、衝突や沈没事故が起きかねない状況だった。

 新海上交通センターへの管制機能の一元化は、この教訓を踏まえた対応で、災害時にセンターから船舶に対し移動命令が出せるようになる。また、災害情報を聴く義務のあるエリアを湾全体に拡大。海上保安庁交通部は「船舶が避難すべきエリアを示す『避難海域』も設定する」と話す。一元化により、平常時の入港手続きも簡素化される。

 国土交通省などによると、東京湾の1日当たりの船舶往来数は平均約500隻で、マラッカ・シンガポール海峡(約350隻)などを大きく上回る。国の想定では関東大震災級の地震が発生した場合、湾内の津波は約2メートルと想定される。【酒井祥宏】

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