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近影遠影

高橋一清・あの日あの人/97 宮本輝 逆境に抗う明るい読後感 /島根

 文藝春秋での38年間、文藝担当の編集者として働いた。既成の作家に新作をいただくほか、無名の新人作家を芥川賞、直木賞へと導いた。私は少年のころから野球を楽しみにしていた。投手もしたが捕手もした。捕手は投手を引き立て、思い切り投げさせ、どんな投球でも受けとめる。作家は投手に、編集者は捕手に似ている。作家と向かい合うとき、捕手の経験が役立った。

 昭和50(1975)年秋、「文學界」新人賞の応募原稿を読んでいて、これまでになく興奮した。面白い。しかし、制限枚数で終わらず、未完の作品だった。これでは残せない。だが、この筆者には、私が抱いた思いを伝えたいと、中間発表のとき、独断で「予選通過作品」の扱いをした。後で知ることだが、それを見た筆者は、何かを感じたようで、次作に挑む気持ちになったという。これが作家宮本輝さんの誕生へとつながる。宮本さん…

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