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Country・Gentleman

2020年4月に亡くなった作家でナチュラリストのC・W・ニコルさんによるコラム。

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私を助けてくれた礼儀作法=C・W・ニコル

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咲き始めたカタクリの花=長野県信濃町で、C・W・ニコル・アファンの森財団提供
咲き始めたカタクリの花=長野県信濃町で、C・W・ニコル・アファンの森財団提供

 <カントリージェントルマン>

 日本の女性に「紳士とは?」と尋ねると、大概、「強くて、礼儀正しく、正義感あふれる男性」という答えが返ってくる。「背が高くて、堂々として、ハンサム」なら、なおいいらしい。

 かくいう私も「紳士たること」を人生の目標の一つとして生きてきたが、そう簡単なことではなかった。私は1940年、第二次世界大戦開戦の翌年にウェールズで生まれた。出征した実父との再会はかなわず、父を手本とすることはできなかった。代わって、私の人生に絶大な影響を与えたのは母方の祖父だ。第一次世界大戦で志願兵として戦ったという祖父は、私に自らの人生哲学を教えこんだ。

 祖父は12歳で炭鉱に働きに出た。読書家で言葉遣いも上品だったが、大学はおろか高校も出ていない。オペラ好きで、独学でイタリア語を学んだ。ウェールズ語に英語、それにフランス語も少々。そんな祖父を周りの人は「たたき上げの紳士」と評した。まだ幼い頃から、祖父は私に「早く一人前になれ、強くやさしい男(ジェントルマン)になって母さんを守ってやれ」と、くり返した。

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