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社説

小中の教員、週60時間勤務 先生の悲鳴が聞こえる

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 多忙は限界を超える状況ではないだろうか。

 文部科学省が小中学校の教員の勤務実態調査を公表した。全国の公立小中学校から抽出した約1万9000人の結果で、10年前との比較も示された。

 小中学校とも勤務時間は延びている。1週間の勤務時間は小学校が4時間余り延びて57時間25分、中学校でも5時間余り長くなり63時間18分だ。忙しさに拍車がかかっている。

 週約60時間もの労働実態だ。いわゆる「過労死ライン」に達する計算となる週60時間以上の勤務は、小学校で3人に1人、中学では6割近くに上っている。

 国際機関の調査では、先進諸国の中学教員は平均すると週約38時間の勤務で、日本は突出して長い。

 長時間勤務の大きな要因は、授業時間数の増加と部活動指導だ。

 いわゆる「ゆとり教育」で学習内容が削減された学習指導要領が改定され、小学校低学年では週2コマ、それ以上は週1コマ授業が増えた。準備のための時間や成績をつける時間も増える。少人数指導が広まり、先生が受け持つ授業も多くなった。

 中学では休日の部活動の指導時間が倍増し、平均で2時間を超えている。大会等に向けた指導でつきっきりになっている姿も浮かび上がる。

 年間で5000人前後もの教員が精神疾患で休職しているのが現状だ。教員増とともに、外部の支援や仕事内容の見直しが不可欠だ。

 文科省も、スクールカウンセラーや部活動指導員を学校職員と位置付けるなど、福祉・心理や部活動の専門家を学校に導入することで見直しを図ろうとしている。だが、まだ緒に就いたばかりだ。この流れをさらに加速させる必要がある。

 外部への報告書作りなどの事務作業の多さも相変わらずだ。教育委員会なども教員の負担になる調査を実施していないか、見直す必要がある。学校自身も行事や研修、会合を精査すべきだ。

 2020年度からは小学校で英語が教科として加わり、討論などで能動的に学ぶアクティブ・ラーニングも導入される。さらに忙しくなる。

 先生が疲れ果てていては、教育の質も低下する。負担軽減は日本の将来に向けた喫緊の課題だ。

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