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余録

「絆」とはもともと馬や犬などの動物を…

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 「絆」とはもともと馬や犬などの動物をつなぎとめる綱のこと。強めたり、切れたりするものである。では震災後によく使われる「絆が深まる」という表現は間違っているのか。国語辞典を編む人はそこまで深く考える▲飯間浩明(いいまひろあき)さんの著書「三省堂国語辞典のひみつ」にある。この辞書の生みの親、見坊豪紀(けんぼうひでとし)氏は辞書の序文に記した。「辞書はことばを写す鏡であります。同時に辞書はことばを正す鑑(かがみ)であります」。言葉は時代とともに変わる。辞書はそれを反映させたうえで誤りを正す役割を担う▲この人は鑑、手本の役割を果たしてはいまい。今村雅弘前復興相の「まだ東北でよかった」という失言をめぐる自民党の二階俊博幹事長の発言だ。「言葉の誤解はない方がいいが(マスコミは)いちいち首を取るまで張り切らなくてもいいのでは」▲そもそも失言を生み出した背景に復興相ポストを軽視する政府の空気がある。今回の失言は被災地への姿勢を映した鏡かもしれない。3月11日、政府主催の追悼式で安倍晋三首相は「原発事故」という言葉を使わなかった。失言ではない。だが政治家の辞書から消していい言葉ではない▲一方、復興相の失言を逆手に取り、東北の魅力を発信するツイッターの投稿が増えている。「東北でよかった」。こちらは共感を広げる▲「絆が深まる」の表現はもちろん正しい。「絆」はモノではなく「つながり」を示す言葉になったからだ。被災地との心のつながりを深める言葉を政治家からも聞きたい。

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