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法廷で手錠「人権侵害」…アンケート開始

イラスト かみじょう・りえ

 法廷で刑事裁判の被告に手錠・腰縄を付けるのは「人権侵害」だとして、大阪弁護士会が裁判の傍聴者らを対象に、手錠・腰縄姿を見た印象を尋ねる全国初のアンケートを始めた。手錠・腰縄は逃走を防ぐためだが、弁護士会は「裁判官や傍聴者に『犯罪者』との印象を抱かせ、無罪推定の原則に反する」と指摘。調査を踏まえ、裁判所などに改善を求めていく計画だ。【原田啓之】

「無罪推定に反する」改善求め

 手錠・腰縄は刑事収容施設法に基づき、被告の両手に手錠をはめ、腰に付けた縄を刑務官などが持って裁判所と拘置所などの間を護送する。刑事訴訟法は公判中の身体拘束を禁じているため、裁判官が開廷を宣言してから閉廷するまでは外されるが、入退廷の際は手錠・腰縄姿のままだ。

 2009年から始まった裁判員裁判では、日本弁護士連合会の要望を受け、法務省と最高裁が原則、被告を先に入廷させて手錠と腰縄を外した後に裁判員らが入る運用を決めている。ただ、傍聴者が手錠・腰縄姿を見ることに変わりはない。

 こうした運用に被告が「見せしめだ」などと反発するケースが出てきた。大阪地裁では14~16年、傷害罪などで無罪を主張する被告が「手錠・腰縄姿で入廷させるのは人権侵害」などとして出廷を拒否し、本人不在で有罪判決を受けた。京都地裁でも「市中引き回しのようだ」と反発した被告が国に賠償を求めて提訴した。

 一方、神戸地裁姫路支部では昨年9月、窃盗事件の公判中に被告が逃走し約20分後に逮捕される事件が発生。開廷中のため手錠と腰縄は外されていた。

 大阪弁護士会は昨年8月、手錠・腰縄問題のプロジェクトチーム(PT)を設置。海外の例を調べると、韓国では入廷前に拘束具を外す▽フィリピンでは手錠を布で覆う▽ニュージーランドでは法廷で拘束具を使わない--などの運用をしていた。PTの西川満喜弁護士は「手錠・腰縄姿は囚人を連想させ、被告の自尊心を傷つける。裁判官の判断にも影響していれば問題だ」と話す。

 PTは今年4月から裁判傍聴のイベントなどを通じ、傍聴者へのアンケートを実施。被告や弁護人にも手錠・腰縄姿を見られる気持ちや、運用の問題点を尋ねる。結果は12月に近畿弁護士会連合会のシンポジウムで報告する。

 法務省は「運用を改める予定はない」、最高裁は「コメントできない」としている。

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