オランダ南部のさびれた商店街で会ったレイモンド・ランカスターさん(73)の愚痴は止まらなかった。「妻は最低賃金で働き、生活はぎりぎり。私の医療費はかさむ。弱者に目配りしない政治にはうんざりだ」
政府の統計によると、医療費の自己負担はこの15年で8割近く上がった。緊縮政策に伴う福祉国家の変質に高齢者の不満は募る。
レイモンドさんは3月の下院選で野党の自由党を推した。強硬な反イスラム主義が注目されたが、社会保障政策では医療費の自己負担ゼロを掲げていた。実現性の乏しい人気取りの公約だと分かってはいたが、「エリートが牛耳る政治を変えたいだけ。心から支持はしていない」という。
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