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シリーズ憲法70年 家族と国を考える

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中里見博・大阪大阪電気通信大教授
中里見博・大阪大阪電気通信大教授

 施行70年の日本国憲法。改憲に前のめりな安倍政権のもとで注目されているのが「憲法と家族の関係」だ。憲法24条は家庭生活における個の尊厳をうたうが、自民党が今国会への提出を目指す家庭教育支援法案は「国や自治体が家庭教育支援に責任を負う」としており、家庭への公権力の介入を懸念する声も出ている。

親の「学び」応援する法律を 上野通子・自民党家庭教育支援法案プロジェクトチーム事務局長(参院議員)

 自民党が国会提出を目指している家庭教育支援法案は、2006年に改正された教育基本法を受けて、国や地方自治体が家庭教育を支援するためにまとめたものだ。法案を巡り「あるべき家庭や家族像を定義づける狙い」「憲法24条改正の足がかりとなる」という批判があるが、全くの誤解だ。党内議論で「家庭への介入につながるのでは」との懸念の声が上がったため、当初案にあった「社会の基礎的な集団である家族」「子に国家及び社会の形成者として必要な資質が備わるようにする」などの表現は削除した。法案にある「教育基本法の精神にのっとる」との文言に、その趣旨が含まれているからだ。

 かつては祖父母や親戚を含む大家族や地域社会の中で子育てができたが、今はひとり親家庭の増加、子どもの貧困、児童虐待が社会問題となり、物事の善悪を判断して子どもに教えることができない親が増えている。

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