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社説

透明化した五輪マラソン選考 高水準の争いに期待する

 2020年東京五輪からマラソン代表の選考方法が変わる。日本陸上競技連盟は協議による選考をやめ、同じレースで競わせる場を設ける。

     主観的な要素を極力排除し、透明性を高めたものと評価できる。

     新たな選考方法では、今年夏からの国内外の主要大会が「予選」と位置づけられる。設定記録や順位で「予選」を通過した選手が19年秋以降に新設される「決勝」レースに臨み、男女とも3枠ある代表のうち優勝者ら2人を自動的に選出する。

     残り1人については、その後の主要国内大会で最速の記録を出した選手を含め選ぶ。

     これまでは気象条件やコースの難易度が異なる複数のレースから「総合的に勘案して」選考してきた。そのため過程に不透明さや基準に曖昧さが生じ、社会問題となるケースもあった。

     00年シドニー大会金メダリストの高橋尚子さんは04年アテネ大会に向け、選考レースの一つで2位に入ったことから後の大会を回避したところ落選し、物議を醸した。

     昨年のリオデジャネイロ大会では、選考レースで設定記録を破り優勝した福士加代子選手がその時点で内定にならず、約1カ月後の別の選考会に強行出場する意向を示した。

     新たな選考方法は透明性だけでなく、調整能力や安定性、勝負強さを求めた点も特徴だ。選手は最低でも「予選」と「決勝」にピークを合わせ、結果を出さなければならない。

     代表がすべて決まる20年春まで約3年という時間を作ることで、早い時期からマラソンに取り組む選手が増えそうなのも強化の観点から望ましい。

     もちろん課題はある。

     特に男子は、アフリカ勢に大きく水をあけられている。真夏の五輪代表を冬から春にかけてのレースを中心に選ぶ構図は従来通りで、暑さに強い選手が選ばれるかわからない。

     日本の長距離界は駅伝とマラソンが両輪だ。双方を両立させていく方策も考えていかねばならない。

     選考レースは8月から始まる。マラソンは見るだけでなく、今や一般の人々も楽しむスポーツだ。幾多の関門を乗り越えるハイレベルの代表争いが日本のマラソン文化を一層育むことを期待したい。

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