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アート

原爆の図丸木美術館 記念のつどいで寄付呼びかけ

「原爆の図丸木美術館」開館記念日の集いで、本橋成一さん(奥左)と小室等さん(同右)の対談を聞く来館者=埼玉県東松山市で2017年5月5日、岡本同世撮影

 画家の丸木位里(1901~95年)・俊(1912~2000年)夫妻が描いた連作「原爆の図」を常設展示する「丸木美術館」(埼玉県東松山市)で5日、開館50周年の記念日の集いが開かれた。美術史家で神奈川県立近代美術館の水沢勉館長は、「経験は、次の世代につないでいかなければ消えてなくなる。美術作品もそうだ。この作品が、未来へきちんと続いていくような設備を持った施設が建てられるよう、切に願っている」と保存基金への協力を呼びかけた。

 それぞれ縦1.8メートル、横7.2メートルの「原爆の図」は全15部。うち「長崎」を除く14部を同館が所蔵している。「自然豊かな環境の中、作品を間近で見てほしい」という丸木夫妻の意向に沿い、ケースには入れずに展示。しかし、虫食いの白い部分が点在するなど、表面の劣化が進んでいるため、5億円を目標とした寄付を募っている。基金は温度・湿度管理や防虫機能を充実させた新館の増築費用や、デジタルアーカイブの整備に充てる。

開館50周年記念日を迎えた「原爆の図丸木美術館」で、保存基金への協力を呼びかける神奈川県立近代美術館の水沢勉館長=埼玉県東松山市で2017年5月5日、岡本同世撮影

 公的援助を受けず、企業スポンサーも持たない同館は、これまで何度も運営の危機を乗り越えてきた。2001年から学芸員を務める岡村幸宣さんは「お金をたくさん持っている人ではなく、無数の普通の人たちの支えが積み重なって、この美術館を守ってきた。次の50年にも受け継いでいってほしい」と話す。

 集いでは、写真家の本橋成一さんとミュージシャンの小室等さんが対談した。1980年代に夫妻のもとで撮影を続けた本橋さんは、見学の小学生と俊さんのエピソードを披露。「『私は原爆に遭ってないから、本当はよく分からない』という5年生の女の子に、俊先生が『そりゃそうよ。でもあなたたちには、大人よりずっと想像力があるんだから。この絵をずっと見て、たくさん想像してちょうだい』と応じたやり取りが印象的だった」と振り返った。小室さんは「広島や長崎を移動することはできないけれど、お二人の作品は可能だ。(原爆被害を)芸術作品として、移動できる形にしてくれたことには感謝してもしきれない」と語った。

 寄付のための郵便振替の口座名称は「原爆の図保存基金」。口座番号は00260‐6‐138290。詳細はhttp://www.aya.or.jp/~marukimsn/top/donation.html【岡本同世】

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