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余録

春と初夏の風物詩である潮干狩りは…

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 春と初夏の風物詩である潮干狩りは江戸時代、すでに庶民の娯楽として定着していた。江戸の年中行事を記した「東都歳事記」は品川沖などを名所に挙げている。北斎の肉筆画「潮干狩図」には貝取りに興じる人々の様子が生き生きと描かれている▲当時は舟で沖に出て潮が引くのを待ち、海底が見えると下りて貝を拾う方法だったようだ。ヒラメも一緒にとれたというのだから、江戸前の海は豊かだった▲その潮干狩り、主役のアサリが足りず狩り場が閉鎖されるケースが近年は目立つ。愛知県は今年、35会場のうち15会場で開設を見送った。静岡県・浜名湖は有料の渡し舟を使う潮干狩りが2年続きで中止となった▲国の統計によると全国のアサリ漁獲量は最盛期は年間16万トンもあった。それが減り続け、一昨年から昨年にかけて約1万4000トンから約8500トンに急落した。干潟の減少や取りすぎ、天敵による食害など地域ごとにさまざまな要因があるとみられる▲そこで、アサリを守ろうとする試みが各地で広がりつつある。浜名湖では砂利を入れた網袋を湖底に沈め、幼生を保護しようと取り組んでいる。保護ネットでアサリの復活を目指す和歌山・片男波干潟では今春、9年ぶりの潮干狩りが1日限定で試験的に行われた▲大人もつい熱中してしまう、宝探しのような楽しさがある潮干狩りだ。一説によると、アサリの語源は「漁(あさ)る」が転化したものだという。あさるだけではなく、貴重な海の幸であることも忘れずにいたい。

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