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時代の風

各界の文化人が、それぞれの視点で混迷する時代を読み解きます。

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フランス大統領選=増田寛也・元総務相

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増田寛也・元総務相=徳野仁子撮影
増田寛也・元総務相=徳野仁子撮影

多国間主義を守れるか

 4月下旬に1週間ほどパリに滞在した。非常事態宣言下で大統領選挙のさなか、しかも、到着した晩にシャンゼリゼ通りで警察官銃撃事件が発生したばかりとあって、街中で警察官や機関銃を備えた軍隊の姿が目立った。

 大統領選の様子を見ようと、1回目の投票日にサンジェルマンデプレ地区の投票所に出かけた。入り口の脇に、日本よりかなり大ぶりの全候補者のポスターが掲示してあった。どれも落書きがひどく、特に反・欧州連合(EU)、反移民を旗印に極右勢力を率いるルペン氏のポスターにはここでも大きなバツ印がつけられていた。というのは、それまでに市内の他の場所で見たポスターがどれも同じ状態だったからで、彼女に対する警戒心や反発の強さとともに、国民の分断や亀裂の深刻さが見てとれた。

 選挙の体験がある筆者は投票方法に興味があった。地元の人に聞くと、まず各候補の名前が書かれた紙を1枚ずつ取り、カーテンで区切られた場所で意中の候補の紙を封筒に入れて投票するとのこと。名前を書くよりも間違える人は少ないとのことであった。1回目の投票の候補者は11人だった。過半数を得た候補者がいない場合に上位2者による決選投票を実施する方式を採用しているのは、民意を2度問うことにより危険な候補者の当選…

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