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注目されるスギ「新建材」 林業再生へ活用広げたい

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 衰退の続いた林業に薄明かりが差し始めている。

 日本の森林は国土面積の3分の2を占め、世界有数の豊富な資源がある。しかし、9割以上あった木材自給率は高度成長期の輸入完全自由化で下がり続け、2002年は2割弱にまで落ち込んだ。

 それが15年に3割強にまで回復した。合板の製造技術が上がり住宅での利用が増えたり、地球温暖化対策で木質バイオマスを使う発電の需要が高まったりしたためだ。

 ただし、このレベルでは満足な状態とは言えない。戦後の植林で樹齢46年以上の樹木は5割を超え、伐採期を迎えている。活用の道が見いだせず放置すれば、森林は荒廃する。

 そこで、木材活用の切り札として主にスギを使った新建材・CLT(直交集成板)が注目されている。

 木目が交差するように何層も板を重ねたパネルのことで、鉄骨より軽いのに、同等の強度がある。工期も短縮でき、木のぬくもりもある。

 欧州では木造建築でCLTの需要が急増した。国土交通省は柱などに利用できるよう建築基準を改め、3階建て以下の建築物は原則耐火材なしで簡単に使えるようにした。

 注目の高まりを受け、岡山県真庭市では国内初のCLT専用工場が昨年稼働した。東日本大震災で被災した福島県いわき市では復興公営住宅に使われることになった。

 木材を多用する新国立競技場でも天井にCLTが使われる見通しだ。

 課題もある。国内のCLTは外国製より価格が高い。需要を増やし、生産効率を高めることが大切だ。

 新国立競技場を設計・デザインした建築家の隈研吾さんは「木を使うことが世界中で見直されている。欧州ではCLTの技術が進み、10階建ての木造マンションがある」と中高層建築物への活用を期待する。

 国内では3階建て以上の木造建築物は少ない。その一部にCLTを使えば伐採期を迎えた樹木の活用が広がる。林業とそれを地場産業とする地域の活性化にもつなげたい。

 森林は生態系の維持や水質浄化など多くの恵みをもたらす。森林維持には「植えて、育て、使う」サイクルを回し、安定した木材需要を作る必要がある。木材活用を後押しする方策を議論する足がかりとしたい。

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