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社説

憲法改正提案と森友問題 首相答弁に改めて驚く

 一体、国会は何のためにあると安倍晋三首相は考えているのだろうか。改めて強い疑問を抱かせる衆院予算委員会の集中審議だった。

     まず指摘したいのは、憲法改正に対する安倍首相の答弁だ。

     首相は先週、9条の1項と2項を維持したうえで「自衛隊を明記した条文を追加する」との考えを提起した。5月3日付の読売新聞朝刊でのインタビューで明らかにし、同日開かれた改憲を求める団体などが主催した集会に寄せた首相のビデオメッセージでも同様に表明したものだ。

     議員側が集中審議で、その意図をはじめ、より具体的な条文の中身や考え方を聞くのは当然だ。しかし、首相は、提案は自民党総裁として示したのであり、予算委は首相の立場での答弁に限定すると強調。「総裁としての考えは読売新聞を熟読していただきたい」と突き放した。

     今回「2020年に新憲法施行を」とまで明言したのは首相本人だ。ところが国会で質問されると、首相と総裁の立場を使い分け、「後は与野党で」とゲタを預けてしまう。

     これではあまりに無責任でご都合主義だ。首相が狙ったという「憲法議論の活性化」も阻むことになる。

     大阪市の学校法人「森友学園」問題に関する答弁にも驚いた。

     この問題では最近、学園の籠池泰典前理事長が一連の交渉経過について首相の妻・昭恵氏にその都度、報告していたと明らかにしている。自らの進退にも言及した「私も妻も関わっていない」との首相答弁は一段と揺らいでいると言える。

     だが民進党議員が「学園と昭恵氏はズブズブの関係だ」と指摘した途端に首相はムキになり、「品の悪い言葉はやめた方がいい」「それが民進党の(低)支持率に表れている」とお門違いの反論をしてみせた。

     言葉遣いは確かに悪い。ただし、国民が聞きたいのは、そんな話ではなく真相だ。野党が籠池氏の証言ばかりを流しているというのなら、昭恵氏が記者会見や国会の場できちんと反論するよう首相が促すべきだ。

     財務省も結局、手続きは適正だったと繰り返すだけで、野党の要求に応じて提出した資料も黒塗りだらけだった。これで通用すると考えているとしたら、首相と同じく国会、いや国民軽視である。

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