赤ちゃんポスト

10日で開設10年 熊本・慈恵病院

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慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」。扉(中央)の横には相談用のインターホンも=熊本市西区で、徳野仁子撮影
慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」。扉(中央)の横には相談用のインターホンも=熊本市西区で、徳野仁子撮影

救える命最優先に 次男迎えた家族「出自に配慮を」

 親が育てられない子どもを匿名で受け入れる「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」を熊本市の慈恵病院が開設し10日で10年を迎える。預けられた子どもは昨年3月までに125人。子どもの出自を知る権利などを巡り今も賛否に揺れているが、慈恵病院の相談窓口を通じて男の子を家族に迎えた一家は救われる命の重みを感じている。

 2013年5月7日深夜、慈恵病院で男の子が産声を上げた。「よかった。元気に生まれた」。昼間に新幹線で駆け付けた福井県越前町の森崎千春さん(43)、妻麻紀さん(40)、長男悠貴さん(8)の3人はすぐに病室で赤ちゃんと面会し、夫婦はこれから親となる自分たちの愛情を刷り込むように抱いた。連れて帰る日には家族そろって病院近くの教会へ。「この子は私たちが守っていかなければならない」と胸に刻んだ。

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