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「誰を好きでもええやん」に共感

終始笑顔でパレードを歩いた鈴木南十星さん(中央右)=2017年5月7日、中嶋真希撮影

 2012年から行われている「東京レインボープライド」のパレード。虹色の旗を振りながら、東京・渋谷を練り歩くこのイベントは、年々規模が大きくなり、今年も過去最多を更新した。第1回から毎年参加している大学生と一緒に歩き、この6回で、パレードがどう変化してきたかを聞いた。【中嶋真希】

 東京レインボープライドは、性の多様性を訴え、性別や国籍など関係なく誰もが共に楽しめるイベントだ。今年も4月29日から開かれ、最終日の5月7日、代々木公園周辺でパレードが行われた。全部で23の山車(フロート)があり、「同性婚法制化」「まぜこぜの社会に」などそれぞれテーマが決まっている。記者は、中央大学のサークル「mimosa(ミモザ)」に同行。メンバーはJ-POPのヒット曲を流しながら歩くNPO法人にじいろ学校のフロートを選んだ。

 ミモザは、同大4年の鈴木南十星(なとせ)さん(21)が14年11月に設立したサークルで、映画上映会やトークイベントを通じて性の多様性を発信している。鈴木さんは、高校2年生だった第1回からパレードに毎年参加している。ツイッターなどで参加者を募り、ミモザのメンバー7人と、学内外から18人が集まった。

 パレードは、第1フロートが正午にスタート。にじいろ学校のフロートは、12番目だったため、午後1時に代々木公園を出発。沿道から「いってらっしゃい!」と声がかかった。

 にじいろ学校のフロートは、レインボーだけでなく、黒と灰色、白、紫の4色旗もなびいていた。これは、アセクシャルであることを示す旗。異性、同性のいずれに対しても恋愛感情を抱かない、もしくは恋愛感情はあっても性的対象がいないのがアセクシャルだ。同性愛、性同一性障害が取り上げられることが多いが、性はグラデーション。さまざまな形がある。

「家族連れが増えた」

 コースは約3キロ。鈴木さんは、第1回のころは「沿道からの冷たい視線が気になって十分楽しめなかった」というが、今は沿道の声援が絶えない。「沿道に子供が増えましたね。家族連れが多い。昨年はお店の中から手を振るだけだった店員さんや、企業の人たちが、今年は沿道に出て応援してくれた。協賛企業としてお金を出すだけじゃなく、行動に移してくれる人が増えたのかな」。大きなレインボーの旗を振って、歌いながら歩く記者にも対向車線を走るトラックの運転手が手を振ってくれた。

東京・渋谷を歩くパレードの参加者=2017年5月7日、中嶋真希撮影

 「同性婚の法制化を」など、沿道でプラカードを持つ人たちの姿も目立った。規模が大きくなったとはいえ、周囲にカミングアウトしていない人にとっては、パレードへの参加は容易ではない。参加すればニュース映像や報道写真に映り込む可能性もある。「歩きたいけど、歩けない」という人たちにとっては、沿道からメッセージを送れるのもパレードの魅力だ。「レインボーを身につける人も増えていますね」と鈴木さんはうれしそうに話す。

「誰を好きでもいいよね」

 関西から参加した立命館大2年の高垣真実さん(20)は、プラカードに「誰を好きでもええやん」と書いた。沿道の男性が、それを見て「そう、誰を好きでもいいよね」と高垣さんに声をかけた。その一言に、周囲がぱっと明るくなった。高垣さんは、「メッセージが伝わって、共感してくれた。うれしい」と笑顔だ。

「誰を好きでもええやん」と書いて掲げた高垣真実さん=2017年5月7日、中嶋真希撮影

 高垣さんは、大学で勉強会を開くなど、性的少数者への理解を深める活動をしているが、パレードに参加したのは今回が初めて。「パレードを応援してくれる人がたくさんいた。当事者ではない私は、本当の苦しみは理解できないのかもしれないけど、理解したい」と決意を新たにした。

 約1時間、渋谷・原宿を歩き、代々木公園に戻ってパレードは終了した。鈴木さんは、「もう終わっちゃった」と名残惜しそうだ。「パレード沿道で人がいない場所が年々減っている。反応も良くなっている」と満足そう。ゴール後、ミモザのメンバーは足を止めることなく、後続のパレードに声援を送るため、沿道に駆けていった。

それぞれの思いをプラカードに託して、パレードを歩いた=2017年5月7日、中嶋真希撮影
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