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奈良・大和6号墳

鉄鋌、国内で製作か 「副葬品に急造」

鉄材を接合した鉄鋌(宮内庁提供)
宮内庁が復元した鉄鋌の出土状況(同庁提供)

 宮内庁が奈良市の円墳「大和6号墳」(直径約30メートル、5世紀築造)から出土した鉄板「鉄鋌(てってい)」を調査したところ、国内で製作された可能性があるとの調査結果を発表した。朝鮮半島で作られたとの見方が有力だった。同庁は、被葬者の権威を示す副葬品として作られたとみている。

 大和6号墳は、天皇陵や皇族の墓の可能性がある「陵墓参考地」の一つであるウワナベ古墳の近くにあった古墳。

 鉄鋌は薄い長方形の鉄板で、両端が広がった形状をしている。国内では北部九州から近畿にかけて5世紀の古墳などで出土しており、大和6号墳の909点は国内で最多。朝鮮半島では南部の古墳でも多く見つかっており、5世紀に築造された韓国・慶州市の皇南大塚墳では約1300点出土している。鉄鋌自体に道具としての用途はなく、武具や農具を作る素材だったと考えられている。

 国内では5世紀に鉄鉱石などから鉄を取り出す製鉄技術はなかったとされることから、朝鮮半島で製作されたものが輸入されていたとの学説が有力だった。

 宮内庁は大和6号墳から出土した鉄鋌のうち大型の274点を詳細に調査。100点は製作状況が判明した。そのうち91点については、複数の鉄材を接合して作られたものであることを突き止めた。これらは、余った鉄のかけらなどを集め、国内で鉄鋌の形状に仕上げた可能性が高いという。

 宮内庁は「副葬品として被葬者の埋葬に間に合わせるために急造されたものと考えられる」としている。

 古墳には鏡や武具、農具などが副葬品として納められることが多く、その量や内容は被葬者の地位などを反映していると考えられている。鉄鋌も被葬者の地位を示す副葬品として埋葬された可能性がある。【高島博之】


◇研究進展を期待

 白石太一郎・大阪府立近つ飛鳥博物館館長(考古学)の話 鉄鋌の用途については貨幣の役割があったとの説もあり、分からない点が多い。宮内庁が大和6号墳から出土した鉄鋌の詳細な調査データを公表したことの意義は大きく、考古学的な研究が進むことを期待したい。

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