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市が調査「簡易宿泊所に該当せず」

深夜の火災で全焼し、多くの死傷者が出た中村荘(中央)=北九州市小倉北区清水2で2017年5月8日午前7時18分、本社ヘリから上入来尚撮影

 北九州市小倉北区清水2のアパート「中村荘」で6人が死亡した火災で、市は10日、中村荘が共同住宅より厳しい防火対策が求められる旅館業法上の「簡易宿所」(簡易宿泊所)には該当しないとの見解を示した。入居者が賃貸借契約を結び生活拠点としていたことなどから共同住宅と判断したが、不特定多数が出入りして日割り家賃で短期間入居するケースがあるなど事実上の簡易宿泊所との指摘もあり、識者は「実態に即した防火対策が必要」と警鐘を鳴らす。

     市によると、中村荘の運営会社や所有者から9日に約2時間20分にわたって聞き取り調査を実施。入居者全員が賃貸借契約を結び、原則として月額の家賃を徴収している▽室内の清掃やシーツ交換など衛生管理は入居者自らがしている▽入居者の多くが生活拠点にしている--ことから共同住宅と判断した。

     しかし、元住人らは「家賃は1日500~900円だった」「入居時にテレビや布団が備えられていた」「住人の入れ替わりは激しかった」と証言。福岡県警の調べでは契約書に入居者の名前や連絡先が記入されているだけの「宿帳のようなもの」(捜査関係者)もあった。県警は運営実態などについて引き続き調べる方針で、市は「警察の捜査で簡易宿泊所に該当する事実が出てくれば改めて対応する」としている。

     市内には、中村荘以外にも同様に運営されている物件が少なくとも3カ所確認されている。瀧本浩一・山口大准教授(地域防災)は「今回の火災は共同住宅と簡易宿泊所の境界上の物件で起きた。実態は共同住宅より簡易宿泊所に近く、防火レベルを上げるべきだった。同様の物件に対し、実態に即した防火対策について行政や地域で考える必要がある」と指摘する。

     一方、ホームレス支援団体「抱樸(ほうぼく)」の山田耕司常務は「防火設備の充実で家賃が上がれば、生活困窮者の行き場がなくなる恐れもある。受け皿の確保も重要だ」と話した。【比嘉洋、井上卓也、取違剛】

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