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iPSから卵子と精子 絶滅対策に期待

iPS細胞から卵子と精子の作製に成功したアマミトゲネズミ=北海道大の黒岩麻里教授提供

 絶滅危惧種・アマミトゲネズミの体細胞で作ったiPS細胞(人工多能性幹細胞)から卵子と精子を作り出すことに成功したと、宮崎大の本多新(あらた)研究員(発生生物学)らの研究チームが12日付の米科学誌電子版に発表した。ラットとマウス以外のiPS細胞からできたのは世界初といい、希少種の絶滅防止対策に役立つ可能性があるという。

 アマミトゲネズミは体長約12~15センチの哺乳類。鹿児島県の奄美大島にのみ生息する国の天然記念物のため、通常は実験で使えない。チームは、保護のため捕獲しようとした時に偶然切れ落ちた雌の尾の細胞から、さまざまな組織や臓器に変化するiPS細胞を作製。これをマウスの受精卵(胚)に注入して雌マウスの子宮に移植して出産させた。すると、生まれた雌マウスはアマミトゲネズミの卵子、雄マウスはその精子をもっていた。

 ヒトなど哺乳類の雌雄を決める性染色体は2本あるが、アマミトゲネズミは他の哺乳類では雌になるためのX染色体しかない。進化の過程で雄になるためのY染色体を失ったとされるが、それがなくても雄も生まれ、どのように性別が決まるのか分かっていない。本多研究員は今回の成果について、「他の哺乳類も含め、性別が決まる過程の解明にもつながる」と話した。【斎藤有香】

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