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社説

ギャンブル依存症対策 カジノの免罪符ではなく

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 ギャンブル依存症の予防や治療を盛り込んだ法案の提出に向けて、政府・与党は準備を進めている。

 カジノ解禁への批判の中から出てきた動きではあるが、ギャンブル依存症の実態は深刻だ。カジノの免罪符にするのではなく、実効性のある法律にしなければならない。

 ギャンブル好きと依存症は違う。いつも頭の中でギャンブルのことを考え、集中力がなくなり、不眠や幻視などが表れる人もいる。それがギャンブル依存症だ。世界保健機関(WHO)が定める疾患である。

 多重債務、虐待や暴力につながるだけでなく、強盗や横領などの犯罪を引き起こすことも多い。治療施設で専門的なケアが必要なのに、「意志が弱い」「自制心がない」などと個人的な性格の弱さのせいにされることがよくある。

 厚生労働省研究班が3月に公表した都市部の調査結果では、ギャンブル依存症が疑われる成人の割合は2・7%(全国推計では283万人)。アルコール依存症の推計1・0%より高い。23兆円市場ともいわれるパチンコ・パチスロが日本の依存症の大きな原因とも指摘される。

 近年は公営ギャンブルもパチンコも市場が縮小しており、より射幸心をあおる機種やルールに変更する傾向がある。利用者数は減っているが、1人がギャンブルにつぎ込む金額は増えており、依存症になるリスクは高まっていると言える。

 政府が検討している法案は、本人や家族の申告による競馬場やパチンコ店の入場規制、パチンコの出玉規制の基準見直し、馬券売り場にある現金自動受払機(ATM)のキャッシング機能の廃止などが内容だ。中高生や大学生向けの予防・啓発も検討されている。

 ギャンブルは種別によって所管官庁が多岐に分かれており、調整は容易ではない。業界や地方自治体からの抵抗も予想される。しかし、実効性の薄い法案になったのでは、やはりカジノ解禁の免罪符に使われたとの批判は免れないだろう。

 子ども連れでもパチンコ店などに自由に出入りできるのが日本の現状だ。低年齢児などの入場制限や、射幸心をあおらない規制などの予防策はできるはずだ。政治主導で厳しい対策を打ち出すべきだ。

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